障害のある子がいる家庭の「相続税」基礎|控除・評価・申告の流れと注意点

「障害のある子がいる家庭でも、相続税はかかるの?」 この質問はとても多いです。

結論から言うと、障害のある子がいるからといって、相続税が自動的にゼロになるわけではありません。 ただし、相続税の計算では特別な控除や配慮制度があり、状況によっては税負担を大きく減らせる可能性があります。

さらに、障害のある子の家庭では、

  • 生活資金を守る相続設計
  • きょうだいとの公平感
  • 生活保護や福祉制度との関係
  • 長期的な財産管理

など、税金だけではない視点も重要になります。

この記事でわかること
  • 相続税がかかるかどうかの基本
  • 障害のある相続人がいる場合の控除制度
  • 財産評価の考え方(不動産・預金など)
  • 相続税申告の流れ
  • 親亡き後を見据えた注意点

目次


1. 相続税はどこからかかる?基本の基礎控除

相続税は、すべての相続でかかるわけではありません。 まず、次の基礎控除があります。

基礎控除の計算式

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、

  • 相続人が2人 → 4,200万円
  • 相続人が3人 → 4,800万円

までの財産であれば、相続税はかからない仕組みです。

注意
相続税がかからなくても、相続手続きや財産整理は必要です。

2. 障害のある相続人がいる場合の控除(障害者控除)

障害のある相続人には、相続税の計算で「障害者控除」が使える場合があります。

区分 控除額
一般障害者 10万円 ×(85歳までの年数)
特別障害者 20万円 ×(85歳までの年数)

例えば、40歳の特別障害者の場合

20万円 × 45年 = 900万円控除

となります。

ただし、この控除は

  • 相続税が発生している場合のみ
  • 本人が相続人である場合

に適用されます。


3. 相続財産の評価|税金計算のベース

相続税は、単純に「通帳残高」だけで決まるわけではありません。

次のような財産をすべて合計して計算します。

  • 預貯金
  • 株式・投資信託
  • 自宅・土地
  • 生命保険
  • 車・貴金属など

さらに、借金や葬儀費用は差し引くことができます。


4. 不動産の評価の基本

相続税では、不動産は「時価」ではなく、税務上の評価額で計算します。

種類 評価方法
土地 路線価または倍率方式
建物 固定資産税評価額

また、条件によっては

  • 小規模宅地等の特例
  • 貸家建付地

などの制度で評価を下げられることがあります。

小規模宅地等の特例

自宅の土地は最大80%評価減できる場合があります。


5. 生命保険の扱い

生命保険は相続税の対象になりますが、非課税枠があります。

500万円 × 法定相続人の数

例えば相続人が3人なら

1,500万円まで非課税

になります。

そのため、相続税対策として生命保険が使われることがあります。


6. 相続税申告の流れ

相続税申告は、死亡後10か月以内に行います。

  • 死亡
  • 相続人調査
  • 財産調査
  • 遺産分割協議
  • 税額計算
  • 申告・納税

相続税がかからない場合でも、 特例を使う場合は申告が必要になることがあります。


7. 障害のある子の家庭で特に注意したいポイント

税金よりも重要になることがあります。

生活費の確保

相続税を減らしても、生活費の仕組みがなければ意味がありません。

きょうだいとの関係

障害のある子に多く残す場合、遺留分や公平感の問題が出ることがあります。

財産管理

まとまったお金を受け取った後、誰が管理するかも重要です。

重要
相続税対策だけでなく、 親亡き後の生活設計まで考える必要があります。

8. よくある失敗例

  • 税金だけ考えて生活設計がない
  • 不動産だけ残して現金がない
  • きょうだいの理解を得ていない
  • 財産管理の仕組みを作っていない

9. 今日からできるチェックリスト

  • 相続財産の総額を把握している
  • 相続税がかかる可能性を確認した
  • 障害者控除の対象か確認した
  • 生活費の資金計画を考えている
  • きょうだいとの役割分担を考えている

10. よくあるQ&A

Q1. 障害者が相続すると税金は免除されますか?

免除ではありません。 ただし障害者控除が使える場合があります。

Q2. 相続税がかからない家庭でも対策は必要ですか?

はい。 財産管理や生活資金の設計は重要です。

Q3. 相続税対策はいつ始めるべきですか?

早いほど選択肢が広がります。


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