障害のある子が相続人になると何が起きる?|手続きの流れ・必要書類・意思能力が不安なときの対応

相続が発生し、障害のある子が相続人になると、
通常の相続とは異なる「特有の課題」が生じることがあります。

特に多いのが、
「手続きが進まない」「意思能力があるのか不安」「後からトラブルになる」
といった悩みです。

この記事では、
障害のある子が相続人になったときに実際に起きやすいことを整理し、
相続手続きの流れ・必要書類・意思能力が不安な場合の具体的な対応策を、
初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事でわかること
・障害のある子が相続人になると何が変わるのか
・相続手続きの全体像と注意点
・意思能力が不安なときの現実的な選択肢

目次


1. 結論|最大のポイントは「意思能力の確認」

最初に結論です。
障害のある子が相続人になる場合、最大の分かれ道は「意思能力があるかどうか」です。

意思能力が確認できれば、
・本人が遺産分割協議に参加できる
・特別な制度を使わず相続が進む
というケースも少なくありません。

一方で、意思能力に不安がある場合は、
そのまま進めると後で無効・やり直しになるリスクが生じます。


2. 障害のある子が相続人になると何が起きる?

法律上、障害があること自体で相続人から外れることはありません。
知的障害・精神障害があっても、相続人としての権利は同じです。

ただし、実務では次のような場面で問題が起こりやすくなります。

  • 遺産分割協議に参加できるか
  • 署名・押印が有効といえるか
  • 「理解していなかった」と後で争われないか

この判断を誤ると、
相続手続きがすべてやり直しになることもあります。


3. 相続手続きの基本的な流れ

障害のある子が相続人に含まれる場合でも、
相続手続きの流れ自体は基本的に同じです。

  1. 遺言書の有無を確認
  2. 相続人の確定(戸籍収集)
  3. 相続財産の調査
  4. 遺産分割協議
  5. 名義変更・解約・分配

違いが出るのは、④遺産分割協議の場面です。

注意
障害のある相続人が参加する遺産分割協議では、
「理解して同意しているか」が常に問われます。

4. 相続で必要になる主な書類

相続手続きで一般的に必要となる書類は次のとおりです。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 相続人全員の戸籍・住民票
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書

障害のある子がいる場合、追加で次の書類が求められることもあります。

  • 医師の診断書
  • 障害者手帳の写し
  • 成年後見登記事項証明書(後見を使う場合)

5. 意思能力があるか不安なときの考え方

意思能力とは、
「何を相続し、どう分けるかを理解し、判断できる力」を指します。

重要なのは、障害の有無ではなく、その時点での判断能力です。

意思能力があると判断されやすい例
・財産の内容を説明できる
・誰が相続人か理解している
・分割内容について自分の意思を示せる

少しでも不安がある場合は、
医師の診断書を用意する専門家に立ち会ってもらうなど、
証拠を残しながら進めることが大切です。


6. 成年後見が必要になるケース・ならないケース

「障害がある=必ず成年後見が必要」ではありません。

成年後見が不要なケース
・意思能力が確認できる
・遺言で分割内容が決まっている
・簡単な相続でトラブルの可能性が低い
成年後見を検討すべきケース
・意思能力が明らかに不足している
・不動産売却など重要な判断が必要
・相続人間で対立がある

成年後見は相続を進めるための手段であり、
目的ではありません。状況に応じた判断が重要です。


7. 相続をスムーズに進めるための生前対策

相続発生後に慌てないためには、生前対策が非常に有効です。

  • 遺言書を作成しておく
  • 遺言執行者を指定する
  • 任意後見や家族信託を検討する

特に、障害のある子がいる家庭では、
「相続」+「その後の生活」まで見据えた設計が欠かせません。


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