【特集】相続・贈与で必ず出てくる「事業承継税制」とは?
─ これだけ読めば概要とメリット・特例がわかる完全ガイド
【目次】
事業承継税制とは?
なぜ税制が必要なのか(背景と問題点)
事業承継税制の対象になる会社
誰がこの制度を使えるのか(対象株主と後継者)
相続で使う場合の税制(相続税の猶予)
贈与で使う場合の税制(贈与税の猶予)
税金が“免除”になるケース
この制度のメリット
知らないと危険!デメリット・制度利用の注意点
必要な手続き(事前確認・認定申請・継続届出など)
特例事業承継税制とは?(一般制度との違い)
よくある誤解とQ&A
まとめ
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1|事業承継税制とは?
事業承継税制とは、
会社の株式を相続や贈与で後継者へ引き継ぐときの「相続税・贈与税」を猶予し、最終的に免除される可能性のある制度です。
中小企業にとって、株式の相続税・贈与税は莫大な負担となるため、
後継者が資金難にならないよう、国が税負担を軽減する仕組みとして導入されました。
国税庁の案内はこちら:
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/jigyo-shokei/index.htm
2|なぜ税制が必要なのか(背景と問題点)
中小企業では、
経営者の高齢化 と 後継者不足 が深刻な課題です。
特に株式の相続税は、
数千万円〜数億円になるケースもあり、
「会社は黒字なのに、相続税のせいで継ぎたくても継げない」
という事態も実際に発生しています。
これを防ぐために作られたのが 事業承継税制 です。
3|事業承継税制の対象になる会社
すべての会社が対象ではありません。
■対象となるのは
中小企業基本法に定める中小企業
上場会社は対象外
資本金3億円以下など条件あり
資産管理会社(不動産賃貸のみ等)は対象外の可能性あり
事業承継税制は
“中小企業の経営に継続性があること”
が前提です。
4|誰がこの制度を使えるのか(対象株主と後継者)
事前に知っておくべき重要ポイントです。
■後継者の条件
会社の代表者になること
先代経営者が代表を辞任していること
議決権株式の「過半数」を承継すること
市区町村の認定を受けること(認定支援機関の確認が必要)
■先代経営者の条件
会社の代表者であること
議決権総数の50%超を保有していること
“いとこ”“兄弟”“親族外”での承継も制度上は可能。
ただし自治体の判断により認定の難易度が変わることがあります。
5|相続で使う場合の税制(相続税の猶予)
相続で株式を受け継ぐ場合、
通常は相続税が発生しますが、事業承継税制を使うことで
■相続税の100%が猶予
(=支払う必要が一旦なくなる)
さらに条件を満たせば
最終的に“免除”される可能性もあります。
条件の一例:
会社を一定期間継続して経営する
雇用を維持する(実質的に緩和済み)
提出書類を継続して管理
後継者が代表を続けている
6|贈与で使う場合の税制(贈与税の猶予)
生前に株式を後継者へ移す場合にも制度が使えます。
■贈与税も100%猶予
(通常の贈与税は非常に高額)
相続より贈与が好まれるケースも多いです。
理由は、後継者を早めに経営に慣れさせられるから。
ただし、相続と違い、
●代表権の移転が必須
●自治体の認定が必須
●生前贈与のタイミングが重要
など、手続きがより複雑です。
7|税金が“免除”になるケース
猶予された税金は、以下の条件を満たした場合に「免除」されます。
■免除の主な条件
後継者が死亡
会社が廃業
所定期間を満了
後継者が株式を返納(みなし贈与)
要点としては
「会社の経営を一定期間きちんと継続する」
ということです。
8|この制度のメリット
●メリット1:相続税・贈与税が実質ゼロに
中小企業にとって最大のメリット。
●メリット2:後継者が資金難にならない
株式の相続税は通常莫大ですが、それが避けられる。
●メリット3:生前贈与にも使える
早期承継で経営が安定。
●メリット4:雇用守れなくても“必ずアウトではない”
以前より柔軟になり利用しやすい制度に。
9|知らないと危険!デメリット・制度利用の注意点
1)手続きが非常に複雑
税理士・行政書士・認定支援機関との連携が必須。
2)書類提出を怠ると猶予取消 → 一括納付
多額になるため非常に危険。
3)対象外の会社も多い
資産管理会社は特に注意。
4)後継者の要件が厳しい
代表権を持つこと、議決権の過半数など。
5)途中で辞任するとアウトの可能性
計画的に進める必要がある。
10|必要な手続き(事前確認・認定申請・継続届出など)
この制度は
「申請すれば誰でも使える」ものではありません。
■ステップ1:事前確認
認定支援機関(商工会議所・税理士など)が書類確認。
■ステップ2:市区町村へ認定申請
後継者・先代・会社情報を提出。
■ステップ3:株式の承継(相続または贈与)
■ステップ4:県(都道府県)への申請
■ステップ5:税務署への猶予申請
■ステップ6:継続届出書の提出
毎年の提出が必要。
11|特例事業承継税制とは?(一般制度との違い)
現在、事業承継税制には
「一般制度」と「特例制度」 の2種類があります。
特例制度は、期間限定で大幅に拡充されたもので
通常より使いやすい内容です。
■特例制度の主なポイント
相続税・贈与税が 100%猶予
対象株式が最大 100%
雇用要件が実質撤廃
複数後継者も可能
特例制度は2027年までに計画提出が必要(※法律改正により変動可能性あり)。
この制度を使うことで、
後継者への資金負担はほぼゼロにできるといえます。
12|よくある誤解とQ&A
Q1. 納税が免除されるって本当?
→ 条件を満たせば最終的に免除される。
ただし途中で条件違反があると猶予取消。
Q2. 赤字会社でも使える?
→ 可能。黒字かどうかは無関係。
Q3. 親族外承継(社長の右腕など)も対象?
→ 認定基準を満たせば可能。
Q4. 資産管理会社は?
→ 事業実態によっては対象外になるため要注意。
Q5. 途中で株式を売却したら?
→ 原則アウト。猶予取消 → 一括納付。
13|まとめ
事業承継税制は、
中小企業が“事業を後世へつなぐ”ための非常に強力な制度です。
しかし、
手続きの複雑さ
継続管理の厳しさ
書類不備によるリスク
など、専門家なしでの利用は難易度が高いのも事実です。
適切に使えば、
相続税・贈与税の負担を大幅に軽減できる
中小企業にとって欠かせない制度となります。
事業承継は、
経営者が元気なうちから準備を始めることが成功の鍵です。
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