親の死亡後、障害年金・手当はどうなる?|停止・変更・手続きタイムライン
親が亡くなった直後、障害のあるご家族がいる家庭では
「障害年金や手当は止まるの?」「何をいつ手続きすればいい?」が大きな不安になります。
結論から言うと、親の死亡=障害年金が自動で停止というわけではありません。
ただし、手当の種類によっては“世帯状況・扶養・所得”が変わることで停止・減額・切替が起きます。
この記事では、初心者の方でも迷わないように、停止・変更のポイントと手続きのタイムラインを整理します。
目次
1. まず確認|「障害年金」と「手当」は仕組みが違う
障害年金:本人(障害のある方)に支給される年金。
手当・助成:自治体・制度ごとに要件があり、所得・扶養・世帯状況で変動しやすい。
親が亡くなると、生活が大きく変わります。
その影響を受けやすいのは、「手当・助成」のほうです。
2. 親が亡くなっても障害年金はどうなる?(原則と例外)
原則:障害年金は“本人の受給権”なので、親が亡くなっても継続します。
ただし、次のケースは確認・手続きが必要です。
- 受給口座が親名義になっている(受給停止・返還リスク)
- 本人が手続きを理解できず、更新・現況届が滞る
- 親が代理で管理していたが、引継ぎがない
障害基礎年金(20歳前障害など)のポイント
障害基礎年金の一部は所得制限が絡むことがありますが、これは「親の死亡」そのものではなく、
本人の所得・扶養・世帯状況の変化として見直しが起きるイメージです。
未支給年金(親が年金受給者だった場合)
※ここは「障害年金(子)」ではなく、亡くなった親の年金の話です。
親に支給されるはずだったが未受領の年金(未支給年金)がある場合、条件を満たせば遺族が請求できることがあります。
3. 影響が出やすい「手当・助成」一覧(停止・変更ポイント)
親の死亡後に影響が出やすいのは、次のような制度です(地域や状況で名称・運用は異なります)。
- 障害児(者)手当・特別障害者手当:所得・扶養状況の変化で支給区分が変わる
- 自治体の福祉手当:世帯の所得・住民税課税状況で停止・減額が起こりやすい
- 医療費助成・自立支援医療:自己負担上限や区分が変わる場合がある
- 生活保護・住宅支援:世帯構成・収入の変動で再判定が必要
- 障害福祉サービス:受給者証の更新・支給決定の見直し(相談支援・計画)が必要になることがある
ポイントは、“親が亡くなったから止まる”ではなく、要件(所得・扶養・同居・収入)が変わって再判定される、ということです。
4. 親死亡後の手続きタイムライン(いつ・どこで・何を)
ここからは「何から手をつければいい?」を、時系列で整理します。
全部を一度にやろうとしないのがコツです。
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当日〜7日:まず“生活が止まらない”確認
- 障害年金の受給口座が本人名義か確認(親名義なら早急に変更相談)
- 家計の支払い(家賃・光熱・通信・施設費)の引落口座を把握
- 本人の手帳・受給者証・保険証類を一か所に集約
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7日〜14日:役所・年金の“連絡先”を作る
- 市区町村で、世帯・扶養・各種手当の窓口を確認
- 年金事務所/街角の年金相談センターで、本人の受給状況と今後の手続きの有無を確認
- 今後の書類が本人に届くため、郵便物の管理方法(転送・保管)を決める
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2週〜1か月:手当・助成の“変更・更新”を整理
- 障害児(者)手当・自治体手当:世帯状況変更に伴う届出が必要か確認
- 医療費助成・自立支援医療:区分・自己負担上限の見直しがあるか確認
- 障害福祉サービス:受給者証更新・支給決定の見直し、相談支援(計画)の再調整
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1〜3か月:お金の管理と“代理・支援体制”を固める
- 通帳・年金・手当の管理者を決める(家族/支援者/専門職)
- 本人の判断能力に不安がある場合、任意後見・成年後見・日常生活自立支援の検討
- 「支払いが止まる」リスクがあるもの(家賃・施設費)を優先的に仕組み化
最優先は「受給口座」と「毎月の支払いが止まらないこと」です。
手当の整理は、後からでも間に合うケースが多いので、順番を間違えないことが重要です。
5. 受給を止めないための“落とし穴”
- 本人名義の口座がない/親名義で受け取っていた
- 現況届・更新の期限を見落とす(封筒を開けない/管理者不在)
- 手当の窓口が複数で、「どこに何を出すか」が混乱する
- 親がやっていた“暗黙の手続き”(更新・申請)を誰も引き継げない
この落とし穴は、知識よりも仕組みで回避できます。
「誰が・いつ・何をするか」を見える化するだけで、手続きの停止リスクは大きく下がります。
6. よくあるQ&A(口座・死亡届・未支給年金など)
Q1. 親が亡くなったら、子の障害年金は止まりますか?
原則止まりません。本人の受給権だからです。
ただし、受給口座や更新手続きの管理が不十分だと、実務上“止まったように見える”ことが起きます。
Q2. 受給口座が親名義でした。どうすれば?
早めに年金事務所へ相談し、本人名義口座への変更を検討します。
状況によっては代理・管理体制(後見・自立支援等)とセットで整理する必要があります。
Q3. 親の年金が振り込まれた月がある…返す必要がありますか?
亡くなった方に支給された年金は取り扱いが繊細です。
未支給年金として請求できる部分と、返還が必要な部分があり得るため、年金事務所で確認してください。
7. 相談の目安|自分だけで抱えないでOK
次に当てはまる場合は、早めに支援者・専門家と一緒に整理すると安心です。
- お金の管理者がいない(通帳・支払いが親任せだった)
- 本人の判断能力に不安があり、更新・契約が難しい
- 手当・助成が複数あり、どれが止まるか不明
- 施設・グループホーム等の費用支払いが迫っている
「手続きの正解」よりも、生活が途切れない仕組みを先に作ることが重要です。
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