【専門家が解説】遺言信託とは?しくみ・費用・注意点をわかりやすく解説|遺言書との違いも徹底比較

【目次】

  1. 遺言信託とは何か

  2. 遺言信託が注目されている理由

  3. 遺言書との違い

  4. 遺言信託のメリット

  5. 遺言信託のデメリット・注意点

  6. 利用が向いているケース

  7. 障害のある子の“親亡き後対策”で使えるのか

  8. 遺言信託の費用相場

  9. 遺言信託と併用したい制度(家族信託・任意後見)

  10. 遺言信託を検討するときのポイント

  11. まとめ

  12. お問い合わせ


1|遺言信託とは何か

遺言信託とは、
信託銀行などの専門機関が「遺言書の作成」や「死後の手続き全般」をサポートしてくれるサービス をいいます。

通常の遺言書は、本人や公証人が作成し、
死後の手続き(相続⼿続き・遺言の執⾏)は家族が行います。

一方、遺言信託は

  • 遺言書の作成サポート

  • 遺言執行

  • 相続手続き全般の代行
    を、一つのパッケージとして銀行に任せられる のが特徴です。


2|遺言信託が注目されている理由

近年、以下の理由で利用者が増えています。

  • 家族関係の複雑化

  • 相続トラブルの増加

  • 相続手続きの煩雑化

  • 遺言内容を確実に実現したいニーズ

  • 孤独死・おひとりさまの増加

  • 親亡き後対策を求める声の増加

特に「子どもに負担をかけたくない」という高齢者の利用が増えています。


3|遺言書との違い

項目遺言書(一般)遺言信託作成本人 or 公証人銀行・専門家がサポート保管自分で保管 or 法務局銀行が保管執行相続人 or 遺言執行者銀行が執行(確実)手続き負担家族が行う銀行が代行費用比較的安いやや高い

最大の違いは
「死後の実務まで任せられるかどうか」
です。


4|遺言信託のメリット

◎ ① 遺言が確実に実行される

銀行が遺言執行者となるため、
相続人同士の忖度や感情によって遺言が無視される心配がありません。

◎ ② 家族の負担が大幅に軽くなる

相続手続きは非常に複雑で、
・不動産の名義変更
・預金の解約
・株式の移管
・年金の手続き
・各種解約
など、多くの作業が必要です。

これらを銀行が代行してくれるため、家族の負担が一気に軽減します。

◎ ③ 専門家のチェックで内容が整う

遺言の書き方ミスによる“無効トラブル”を防げます。

◎ ④ 遺賢(寄付)にも対応しやすい

学校・団体・市区町村への寄付のサポートが受けられます。


5|遺言信託のデメリット・注意点

▲ ① 費用が高い

作成支援料+執行手数料で数十万円〜百万円以上になることも。

▲ ② 内容の変更に手続きが必要

銀行を通す必要があり、手間が増えることがあります。

▲ ③ 財産の種類によっては対応外

  • 海外資産

  • 暗号資産

  • 中小企業の株式
    など、銀行が扱えないものもあります。

▲ ④ 障害のある子の長期支援には不向き

銀行が対応するのは“遺言の執行まで”。
長期的な財産管理はできません。


6|利用が向いているケース

  • 家族に負担をかけたくない

  • 相続人同士の仲が悪い

  • 公平な遺産配分を確実に実現したい

  • 相続人が遠方に住んでいる

  • おひとりさま

  • 財産が大きく、複雑な相続が予想される


7|障害のある子の“親亡き後対策”で使えるのか?

結論として、遺言信託は単体では不十分です。

なぜなら銀行が担えるのは
「死後の一度きりの遺言執行業務」 のみであり、
障害のある子に必須である

  • 長期的な財産管理

  • 生活支援

  • 医療・福祉サービスの契約代理

  • 見守り

  • 死後事務

  • 将来の成年後見への移行

といったサポートはできないためです。

障害のある子には、
家族信託・任意後見・死後事務委任契約を組み合わせるのが必須です。


8|遺言信託の費用相場

信託銀行によって異なりますが、一般的には以下のイメージです。

  • 遺言作成支援:5万〜20万円

  • 遺言書保管料:年間1〜2万円

  • 遺言執行手数料:数十万円〜1%程度

一般の公正証書遺言より高額になりやすい点は要注意です。


9|遺言信託と併用したい制度

● 家族信託

長期の財産管理に最適。
障害のある子の生活資金を継続的に管理できる。

● 任意後見契約

医療・福祉・生活支援の契約代理に対応。

● 死後事務委任契約

葬儀・役所手続き・公共料金解約などを任せられる。

遺言信託は“死後の財産引渡し”に強い制度なので、
生前〜死後までのトータル支援には複数制度の組み合わせが必要です。


10|遺言信託を検討するときのポイント

  • 費用に見合う価値があるか

  • 自分の財産種類に適しているか

  • 遺言執行のあとも継続管理が必要か

  • 障害のある子には他制度と併用する必要がある

  • 遺言内容をどれほど複雑にしたいか

  • 誰に任せれば安全か

信託銀行・弁護士・行政書士のそれぞれで役割が違うため、
相続全体を見渡して検討する必要があります。


11|まとめ

遺言信託は、

  • 遺言作成

  • 保管

  • 執行

  • 相続手続き代行

をまとめて任せられる便利なサービスです。

特に「家族に負担をかけたくない」という方に向いています。

ただし、
障害のある子の長期的な将来支援にはこれだけでは不十分 であり、
家族信託・任意後見などと併用して設計することが重要です。


【お問い合わせ】

障害を持つ子どもの親亡き後を支える会
〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町3-3-5 6階605

〒231-0032
神奈川県横浜市中区不老町1-6-9 第一HBビル8階A
TEL:0120-905-336

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