障害年金が不支給になった|初診日・診断書・病歴就労状況等申立書を整え直した事例

障害年金 不支給 初診日 診断書 病歴・就労状況等申立書

障害年金が不支給になった|初診日・診断書・病歴就労状況等申立書を整え直した事例

「障害年金を申請したのに不支給だった」——この結果を受け取ると、落ち込むのは当然です。
ただ、実務では“症状が軽いから”ではなく、「初診日」「診断書」「申立書」の整合性が取れていないことで不支給になるケースが少なくありません。

最初に結論(立て直しの要点)
① 不支給理由を「初診日」「保険料納付」「障害状態(等級)」「書類の整合性」に分解
② 初診日を“証拠で確定”し、受診歴の空白を説明できる形にする
③ 診断書は「生活・就労の困りごと」と一致させる(ここがズレると弱い)
④ 病歴・就労状況等申立書は“ストーリー”ではなく“事実の時系列”で組み直す

※本記事はモデル事例です。不服申立て(審査請求等)を検討する場合は期限が関わることがあります。通知書の内容と日付は必ず保管し、早めに専門家へ相談してください。

0. 不支給の“ありがちな原因”を先に把握する

不支給にはいくつかのパターンがあります。まずは原因の型を知っておくと、やることが整理できます。

分類 よくある状況 立て直しの方向
初診日 初診が曖昧/受診歴が飛ぶ/別病名からの連続性が弱い 証拠の再収集+空白の説明を整える
納付要件 保険料未納期間がある/要件を満たさない 該当制度の確認・可能性のあるルートを再検討
障害状態 診断書が軽く見える/日常生活の困難が伝わっていない 診断書と生活実態を一致させる
整合性 診断書・申立書・受診歴が矛盾/時系列が崩れている 矛盾を潰す(事実ベースの再構成)

実務で多いのは、「初診日」か「書類の整合性」が崩れているケースです。ここを直すだけで見える景色が変わります。

1. 解決事例:初診日が曖昧+申立書が弱い→整え直して再スタート

個人が特定されないよう調整したモデル事例です。ポイントは「気持ち」ではなく、初診日を証拠で固め、申立書を“時系列の事実”に作り直したことでした。

状況

  • 本人:精神障害(波あり)。就労が途切れがちで生活が不安定
  • 申請:障害年金を請求したが不支給
  • 不支給の背景:初診日の根拠が弱い/受診の空白期間が説明できていない/申立書が「感想中心」で事実が薄い

立て直しでやったこと

  1. 不支給理由の特定:通知書の文言を「初診日」「障害状態」「整合性」に分解
  2. 初診日の証拠固め:受診状況等証明書・カルテ情報・紹介状の控え等を再収集
  3. 空白期間の説明:受診できなかった理由(症状・環境・経済)を事実ベースで整理
  4. 診断書の準備資料:日常生活・対人・金銭・服薬管理の困難を“具体例”で医師に共有
  5. 病歴・就労状況等申立書の作り直し:時系列+就労実態+生活の支障+支援状況を一貫させる

結果:書類全体の整合性が取れ、審査側が「初診日から現在までの経過」と「生活の困難」を追える形になり、手続きが前に進みました。

2. まずやること:不支給理由を4つに分解して、やることを確定

不支給からの立て直しは、最初の15分で勝負が決まります。やることは次の順番で固定すると迷いません。

  1. STEP 1 通知書(不支給決定)の理由を“写す”
    まずは理由をそのままメモ。「どこがダメと言われているか」が全ての起点です。
  2. STEP 2 原因を4分類(初診日/納付要件/障害状態/整合性)
    一つに決めつけず、複合の可能性も見ます。
  3. STEP 3 最優先は「初診日」→次に「診断書と生活実態の一致」
    ここが弱いと、他を頑張っても伸びにくいです。
  4. STEP 4 再提出のための“材料集めリスト”を作る
    受診歴、就労歴、生活の困難、支援者、金銭管理…必要材料を可視化します。

チェックリスト:まず集める(または確認する)もの

  • 不支給決定通知(理由が書いてあるもの)
  • 受診の時系列メモ(いつ/どこ/何科/診断名/服薬)
  • 就労の時系列メモ(勤務先/期間/欠勤・休職/退職理由)
  • 日常生活の困りごと(金銭管理、対人、通院、家事、服薬)
  • 支援状況(相談支援、訪問看護、事業所、家族の介助内容)
  • 初診日を裏付ける資料(受診状況等証明書、紹介状、診察券、領収書等)

3. 初診日の立て直し(証拠の集め方・受診歴の空白の説明)

障害年金の審査は、まず「初診日がいつか」が出発点になります。ここが揺れると、全体が揺れます。

初診日でつまずきやすいパターン

  • 転院が多い:最初の病院の記録が取れない/廃院している
  • 診断名が変わった:うつ→双極性→統合失調症など(連続性の説明が必要)
  • 受診の空白がある:症状が悪く受診できない、経済的理由、引越、家族の事情
  • 最初は内科や心療内科以外:身体症状で受診していた等(関連性が必要)

初診日を固めるための「証拠集め」

優先 資料 ポイント
最優先 受診状況等証明書(初診の医療機関) 公式に初診を示しやすい
カルテ記載(診療情報提供書等) 紹介状・転院理由・症状経過が拾える
領収書・診察券・お薬手帳 日付の裏付けとして活用(補助材料)
補助 家族のメモ、学校・職場の記録 生活の崩れを示す(ただし単体では弱い)

「取れない場合」は珍しくありません。取れない前提で、代替材料と説明を組み合わせて整合性を作ります。

空白期間があるときの考え方
空白は“悪いこと”ではありません。ただし審査側は「本当に継続していたのか?」を疑います。
だから空白の理由を“事実”で説明し、前後の受診・就労・生活の崩れとつなげる必要があります。

4. 診断書の立て直し(医師に“伝えるべき情報”の準備)

診断書は医師が書くものですが、医師が知らない日常の困難は書きようがありません。ここで差が出ます。

医師に伝えるべきは「症状」より「生活の支障」

審査は「生活・就労がどれだけ難しいか」を見ます。
だから、次のような具体例を整理して持参すると、診断書の質が上がります。

診断書のための準備チェックリスト(そのままメモしてOK)

  • 通院:予約を取れない/外出できない/付添がないと行けない
  • 服薬:自己管理が難しい/飲み忘れが多い/副作用で生活に支障
  • 対人:電話対応ができない/人混みでパニック/衝突が増える
  • 家事:食事・清潔保持・片付けが維持できない
  • 金銭:衝動買い/詐欺被害/支払い忘れ/家族が管理している
  • 就労:欠勤・遅刻・早退/業務指示が理解できない/休職・退職の理由
  • 支援:家族の介助内容/訪問看護・相談支援・事業所の関与

コツ
「つらい」だけだと伝わりにくいので、“頻度(週何回)” “結果(支払いが止まる)” “介助(誰が代わりにする)”をセットで書くと強くなります。

5. 病歴・就労状況等申立書の作り直し(書き方テンプレの考え方)

申立書は、診断書の弱点を補い、初診日から現在までの「連続性」を説明する超重要書類です。
不支給後の立て直しでは、ここを「作文」から「時系列の事実」に変えるだけで通りやすくなります。

申立書の基本ルール(迷ったらこれ)

  • 時系列:いつ何が起きたか(受診・症状・生活・就労)
  • 生活の支障:何ができないか(具体例)
  • 支援と代替:誰が補っているか(家族・支援者)
  • 整合性:診断書・受診歴・就労歴と矛盾しない

申立書に入れる項目(実務で効く順)

項目 書く内容 NG例(弱くなる)
初診〜転院 初診日、医療機関、転院理由、治療内容 「昔から」など曖昧
空白期間 受診できなかった事実と理由、前後の状態 説明なし(審査が止まる)
就労の実態 欠勤・休職・配慮の有無、退職理由 勤務歴だけ羅列
日常生活 金銭・服薬・家事・対人など、具体例 「大変」だけ
支援状況 誰が何を支援(家族・訪問看護・事業所) 支援の記載がない

重要な注意
申立書で「良く見せよう」とすると、診断書や就労記録とズレて整合性が崩れます。
立て直しは、“弱点を隠す”より“理由を説明する”が正解です。

6. 手続きの流れ:誰が・いつ・どこで・何を・どの書類で

ここでは、初心者でも動けるように「役割」と「順番」を固定します。ケースにより調整が必要ですが、基本は次です。

  1. STEP 1 不支給通知の理由を整理(窓口を1人に)
    誰が:家族または支援者(窓口を一本化)
    何を:不支給理由のメモ化、期限の確認(不服申立ての検討含む)
  2. STEP 2 初診日の証拠集め(医療機関への依頼)
    どこで:初診の医療機関、転院先
    書類:受診状況等証明書、診療情報提供書(可能な範囲)
  3. STEP 3 診断書の準備資料を作成し、医師へ共有
    何を:日常生活・就労の困難を具体例で整理(頻度・結果・介助)
  4. STEP 4 病歴・就労状況等申立書を「時系列の事実」で作り直す
    何を:初診〜現在の経過、空白の説明、就労実態、支援状況を整合させる
  5. STEP 5 提出前の最終点検(矛盾チェック)
    診断書・申立書・受診歴・就労歴の「日付」と「内容」が噛み合っているか確認
  6. STEP 6 提出(年金事務所など)→追加資料対応
    追加照会が来ることもあります。慌てず、整合性を保ったまま回答します。

最後の点検(これだけは)
「初診日」→「治療の継続(空白の説明)」→「現在の生活の困難」が一本の線になっているか。
この線が通ると、審査側が迷わず読めます。

7. よくある失敗(ここで再び落ちやすい)

  • 失敗①:初診日を“思い出”で書いてしまい、証拠が弱い
  • 失敗②:空白期間の説明を省略してしまい、「継続性」が疑われる
  • 失敗③:診断書が軽いのに、申立書だけ重く書いて矛盾が出る
  • 失敗④:就労の「配慮」や「欠勤実態」が書けておらず、困難が伝わらない
  • 失敗⑤:支援の実態(家族が管理している等)を書かず、自立しているように見える
  • 失敗⑥:感情表現が多く、審査に必要な事実(頻度・結果・介助)が薄い

不支給後にやりがちな落とし穴
「今回は強めに書こう」として、事実より“盛った表現”になると逆効果です。
立て直しは、証拠と整合性で勝ちます。

8. Q&A(空白期間がある/診断書が書けないと言われた/家族が代筆できる?)

Q1. 受診の空白期間が長いです。もう無理ですか?

無理と決めるのは早いです。空白はよくあります。大切なのは、なぜ受診できなかったのかを事実として説明し、前後の状態(就労・生活の崩れ・支援)とつなぐことです。
「空白がある=不利」ではなく、「空白の説明がない=不利」になりやすい、という感覚で考えると整理しやすいです。

Q2. 医師に「年金の診断書は書けない」と言われました。

医師の事情(時間・理解・負担感)でそう言われることがあります。ここで大事なのは対立しないこと。
日常生活の困難を整理したメモを持参し、「診断書の項目に沿って情報提供するので、可能な範囲でご協力いただけませんか」と丁寧に依頼するのが現実的です。
それでも難しい場合は、通院先の体制や相談先を含めて専門家と一緒に方針を立てると安全です。

Q3. 病歴・就労状況等申立書は、家族が書いてもいい?

実務上、家族がサポートして整理することは多いです。ポイントは、本人の状況を“事実として”書くこと。
可能なら本人の確認を取りつつ、「いつ・どこで・何が起きたか」「どんな支障があったか」「誰が支援したか」を淡々と記載するのが強い書き方です。

Q4. 不服申立て(審査請求等)と、再申請はどう違う?

手続きの選択は、通知書の内容・証拠の揃い具合・期限で変わります。
ここで重要なのは、期限が関わる可能性があること。通知書は必ず保管し、早めに方針を決めるのが安全です。
どちらにせよ、初診日・診断書・申立書の整合性を整えるのが土台になります。

9. 関連記事(内部リンク)

📞 ご相談はこちら

不支給からの立て直しは、焦るほど「矛盾」が増えます。
まずは、初診日を証拠で固める診断書に必要な生活実態を整理する申立書を時系列で再構成する、の順で整えましょう。
ご家庭の状況に合わせて、「どこが弱いか」を見極め、最短で整えるお手伝いをします。

☎ 0120-905-336

相談時にあるとスムーズ:不支給通知/通院先の一覧(時系列)/就労歴(時系列)/日常生活の困難メモ(頻度・結果・介助)/支援者情報(相談支援・訪看・事業所)

障害を持つ子どもの親亡き後を支える会 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-3-5 6階605 〒231-0032 神奈川県横浜市中区不老町1-6-9 第一HBビル8階A ☎ 0120-905-336 お子さまの将来に安心をつくるための制度設計を、 専門家と一緒に検討してみませんか?
前へ
前へ

障害年金の更新で等級が下がりそう|日常生活状況の記録で維持につなげた事例

次へ
次へ

詐欺・勧誘被害が続く|契約・口座・連絡体制を見直して被害を止めた事例