詐欺・勧誘被害が続く|契約・口座・連絡体制を見直して被害を止めた事例
一度解約しても別の勧誘に応じる、知らない請求が口座から続く、SNSで送金を求められる。このような被害は、本人を叱るだけでも、キャッシュカードを取り上げるだけでも止まりにくいものです。
被害を止めるには、「契約を確認する仕組み」「生活費と貯蓄を分ける口座設計」「迷った瞬間につながる連絡体制」を、本人と一緒につくることが重要です。
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最初に押さえたい結論
- 被害発覚直後は、相手方との連絡停止、証拠保存、金融機関・警察・消費生活センターへの相談を並行して行います。
- 成人した本人の契約や口座を、親が当然に解約・管理できるわけではありません。本人の意思と権限を確認します。
- 解約や返金の可否は、契約方法、時期、説明内容、本人の理解状況などで異なります。
- 再発防止では、本人からお金を遠ざけるだけでなく、相談しやすい合図と複数の連絡先を決めます。
- 成年後見制度は選択肢の一つですが、障害があることや被害歴だけで直ちに必要になるものではありません。
この記事で分かること
知的障害・精神障害・発達障害のある成人した子が、電話勧誘やSNSをきっかけに契約・送金を繰り返した再構成事例をもとに、初動対応、契約整理、口座の見直し、連絡体制、成年後見等の考え方を具体的に解説します。
※本記事の事例は、一般的な相談場面を参考に構成した架空の再構成事例です。特定の個人・家庭の実例ではありません。
目次
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① 詐欺・勧誘被害が続いた家庭の事例
32歳のAさんには知的障害があり、日中は福祉事業所へ通いながら、家族の近くで一人暮らしをしていました。日常的な買い物はできますが、長い説明を一度に理解すること、相手の話を疑うこと、断った後の人間関係を想像することが苦手でした。
最初は、電話で勧められた健康食品の定期購入でした。解約できた後も、動画配信、情報商材、通信サービスなど複数の契約が見つかりました。その後、SNSで知り合った相手から「困っている」「後で必ず返す」と言われ、数回に分けて送金していたことも分かりました。
| 発覚した問題 | 家庭への影響 | 当初の対応 |
|---|---|---|
| 定期購入・月額契約 | 毎月の引落しが増え、生活費が不足 | 見つけるたびに家族が解約を試みた |
| SNS上の送金依頼 | 貯蓄から複数回送金 | 本人を強く叱り、相手を削除させた |
| 電話勧誘 | 断れず、個人情報を伝えてしまう | 知らない番号に出ないよう注意した |
| 家族への報告の遅れ | 請求が続いてから発覚 | 通帳とカードを家族が預かろうとした |
問題は、一件ずつ解約しても、被害が発生する仕組みが残っていたことです。そこで、本人・家族・相談支援専門員・消費生活センター等が、契約、口座、連絡体制を一緒に見直しました。
② なぜ一度解約しても被害が繰り返されたのか
被害が続くと、「なぜまた信じたのか」「前にも説明したのに」と考えてしまいがちです。しかし、繰り返しには本人の性格だけでは説明できない原因があります。
| 背景 | 起きやすいこと | 必要な対策 |
|---|---|---|
| 相手の言葉をそのまま受け取りやすい | 「無料」「必ず増える」「今日だけ」を信じる | 危険な言葉を具体例で共有する |
| 断ると嫌われると感じる | 友人・知人からの勧誘に応じる | 断り方を練習し、代わりの返答を用意する |
| 契約と単発購入の違いが分かりにくい | 定期購入や自動更新に気づかない | 申込み前に確認する項目を固定する |
| 相談すると叱られる | 失敗を隠し、発見が遅れる | 「怒らないから、画面を見せる」を共通ルールにする |
| 生活費と貯蓄が同じ口座 | 一回の送金で生活全体が不安定になる | 用途別口座と残高通知を検討する |
| 支援者間で情報がつながっていない | それぞれが一部の被害しか知らない | 本人同意の範囲で連絡先と対応手順を共有する |
被害の再発防止は「本人をもっと注意深くさせること」だけではなく、被害が起きにくく、起きても早く気づける環境をつくることです。
③ 被害発覚後24時間以内に行ったこと
送金や不審な契約が分かった直後は、原因分析よりも被害拡大を止める行動を優先します。この事例では、次の順番で動きました。
相手との連絡と追加送金を止める
新たな送金をせず、相手から届いたメッセージ、電話番号、振込先、広告、契約画面を削除せずに保存しました。相手方へ反論を続けるより、まず証拠を確保しました。
利用した金融機関と振込先金融機関へ連絡する
振込みによる詐欺被害では、犯人が資金を引き出す前の連絡が重要です。警察と金融機関へ連絡し、必要な手続きを確認しました。返金が必ず受けられるわけではありません。
警察と消費生活センターへ相談する
緊急の事件・事故は110番、緊急ではない警察相談は#9110、契約や悪質商法は消費者ホットライン188を利用できます。家族や支援者から相談できる場合もあります。
決済手段とアカウントを確認する
本人と一緒に、銀行口座、クレジットカード、携帯電話会社の決済、電子マネー、通販サイト、アプリ課金を確認しました。不正利用が疑われるものは、各事業者へ停止・変更方法を確認しました。
④ 契約と請求を一枚に整理する
被害が複数ある場合、届いた順に対応すると、期限や請求元を見失います。この事例では「契約・請求一覧表」を作り、優先順位をつけました。
| 確認項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 契約・商品名 | 正式名称、商品やサービスの内容 |
| 相手方 | 事業者名、担当者、電話、メール、所在地 |
| 申込経路 | 訪問、電話、店舗、通信販売、SNS、知人紹介 |
| 申込日・書面受領日 | クーリング・オフ等の期限検討に必要 |
| 金額・支払方法 | 一括、分割、定期、口座振替、カード、振込 |
| 説明内容 | 「無料と言われた」「必ず利益が出ると言われた」等 |
| 本人の理解 | 何を買い、いくら払い、いつまで続くと認識していたか |
| 対応期限と相談先 | 最優先、確認中、停止済み、解約済みなど |
銀行の通帳だけでなく、カード明細、携帯電話料金、アプリストアの購入履歴、メールの「お申込み完了」も確認します。請求名が契約先名と異なる場合があるため、分からない引落しは金融機関やカード会社へ問い合わせます。
⑤ 解約・取消し・返金はどのように検討する?
「障害があるから契約はすべて無効」「家族が反対すれば解約できる」という扱いにはなりません。契約方法、書面、勧誘内容、経過日数、本人の意思能力などを一件ずつ確認します。
| 検討する制度・方法 | 概要 | 注意点 |
|---|---|---|
| クーリング・オフ | 訪問販売・電話勧誘販売など、対象取引では一定期間内に申込みの撤回・契約解除ができる | 取引類型で期間・要件が異なる。通信販売には一般的なクーリング・オフ制度はない |
| 事業者との解約交渉 | 利用規約や契約条項に基づき解約・中途解約を申し出る | 違約金や返金条件を確認。記録を残す |
| 不当な勧誘による取消し | 不実告知や困惑させる勧誘などがあれば、消費者契約法・特定商取引法等が問題になることがある | 要件と証拠の確認が必要。早めに消費生活センターや法律専門家へ相談 |
| 意思能力がなかった場合 | 契約時に法律行為の意味や結果を判断できなかった場合、民法上の無効が問題になることがある | 診断名だけで決まらず、契約時点の具体的状態と取引内容を個別判断 |
| 成年後見人等による取消し | 法定後見では、類型と権限に応じて本人の法律行為を取り消せる場合がある | 日常生活に関する行為等は例外。制度開始前の契約や保佐・補助は権限確認が必要 |
電話勧誘販売や訪問販売では、法定書面を受け取った日などを起点に、原則8日間のクーリング・オフが問題になります。一方、ネット通販は原則として同じ制度ではありません。「8日を過ぎたから何もできない」と自己判断せず、勧誘や書面に問題がなかったかを含めて188へ相談してください。
⑥ 口座を見直して生活費を守る
口座管理の目的は、本人から自由を奪うことではなく、生活に必要なお金を守りながら、本人が使える範囲を分かりやすくすることです。この事例では、本人の同意を得て次のように整理しました。
| 口座・手段 | 用途 | 管理方法 |
|---|---|---|
| 収入・固定費口座 | 給与、障害年金、家賃、公共料金等 | 毎月の必要額を残し、引落先を一覧化 |
| 日常生活用口座 | 食費、日用品、交通費、楽しみ | 月額・週額を決めて定期的に移す |
| 貯蓄口座 | 緊急費、将来費 | 普段の決済や通販に直接ひも付けない |
| 決済手段 | カード、スマホ決済等 | 利用上限、通知、海外利用、キャッシング等の設定を本人と確認 |
毎月確認したい収支
- 収入:給与、工賃、障害年金、手当その他
- 固定費:家賃、光熱費、通信費、保険料、福祉サービス利用料
- 変動費:食費、日用品、交通費、医療費、娯楽費
- 不明な請求:少額の定期請求、初めて見る決済名、同じ事業者への複数支払い
- 残高の急変:頻繁な現金引出し、送金、チャージ、ギフトカード購入
⑦ 電話・SNS・スマートフォンの対策
連絡手段をすべて取り上げると、本人の社会参加や緊急連絡まで失われます。この事例では、利用を禁止するのではなく「危険な場面で止まれる仕組み」を追加しました。
- 知らない番号は留守番電話で確認し、その場で契約しない
- 「今日中」「秘密」「必ずもうかる」「口座を貸して」は赤信号と決める
- 送金、ギフトカード、暗号資産、画面共有を求められたら一度終了する
- 警察、役所、銀行を名乗っても、相手が示した番号へ折り返さない
- 家族や支援者と、端末の迷惑電話・迷惑メッセージ機能を確認する
- 主要アカウントは推測されにくい別々のパスワードと多要素認証を検討する
- 本人の同意を得て、決済通知や利用上限を設定する
「今は決めません」「支援者に確認します」「書面を送ってください」「お金の話は電話を切ります」。長い説明より、同じ言葉を繰り返し練習する方が実行しやすい場合があります。
⑧ 本人が相談しやすい連絡体制をつくる
被害を早く止める鍵は、「だまされない人になること」だけではなく、迷った瞬間に相談できることです。この事例では、連絡先を一人に集中させませんでした。
| 場面 | 最初の連絡先 | 次の対応 |
|---|---|---|
| 契約を勧められた | 家族または相談支援専門員 | 申込み前に画面・書面を一緒に確認 |
| すでに契約した | 消費生活センター(188) | 契約日、勧誘方法、書面、支払状況を整理 |
| 送金してしまった | 金融機関、警察 | 振込日時・金額・振込先を伝え、証拠を保存 |
| 脅されている・今まさに危険 | 警察(緊急時110) | 安全な場所へ移動し、相手と直接会わない |
| 家族につながらない | 第2連絡先・福祉事業所 | 決めておいた連絡カードの順に連絡 |
本人の財布やスマートフォンに、顔写真や色分けを使った「困ったときカード」を入れました。カードには、相談先、送金しないこと、契約前に確認することだけを短く記載しました。
⑨ 本人の意思を守りながら支援する方法
安全を理由に本人の選択をすべて奪うと、隠れて契約する、相談を避ける、支援者を信用しなくなるおそれがあります。必要なのは、本人が理解しやすい形で選択できるようにすることです。
| 本人が一人でできること | 支援があればできること | 代行・法的支援を検討すること |
|---|---|---|
| 決めた範囲の日常的な買い物、残高確認 | 契約書を短く説明してもらい比較する、定期購入を確認する | 複雑な高額契約、継続的な財産管理、法的な取消しや交渉 |
| 不審な連絡を見せる、合言葉で断る | 支援者と一緒に事業者へ連絡する | 本人の判断能力と必要性に応じた代理権の利用 |
説明では、契約期間、毎月の金額、合計額、解約方法を一つずつ示します。「分かった?」と聞くだけでなく、本人の言葉で説明してもらうと、理解できている部分が見えやすくなります。
⑩ 家族・福祉・金融機関・専門家の役割分担
詐欺・勧誘被害を一人の家族だけで防ぎ続けるのは困難です。誰が何を担うかを決め、役割のない空白を減らします。
| 支援者・機関 | 主な役割 | できないこと・注意点 |
|---|---|---|
| 本人 | 希望を伝える、不審な連絡を共有する、決めた確認手順を使う | 失敗の責任を一人で負わせない |
| 家族 | 日常の変化に気づく、相談に同行する、連絡先を保つ | 成人本人の契約・財産を当然に包括代理できない |
| 相談支援専門員・福祉事業所 | 生活上の変化を把握し、関係機関を調整する | 通帳管理、解約交渉、法律判断をすべて代行するわけではない |
| 消費生活センター | 契約トラブルの相談、解決方法の助言、必要に応じた事業者とのあっせん等 | すべての返金や解約を保証するものではない |
| 金融機関・決済事業者 | 不正利用・詐欺送金への対応、利用設定や手続き案内 | 本人確認や規定があり、家族の依頼だけでは手続きできない場合がある |
| 警察 | 犯罪被害の相談・届出、緊急時の安全確保 | 民事上の契約解約とは別の手続き |
| 法律専門職 | 契約の取消し・無効、返金請求、後見等の法的手続きを検討 | 事実・証拠・本人の意思の確認が必要 |
⑪ 成年後見・任意後見・日常生活自立支援事業の違い
被害が続くと成年後見制度を勧められることがありますが、利用目的と本人の判断能力を個別に確認します。制度を使えば詐欺がすべてなくなるわけではありません。
| 制度 | 向いている場面 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 日常生活自立支援事業 | 本人が契約内容を理解でき、福祉サービス利用援助や日常的金銭管理等の支援が必要 | 本人との契約が基本。高額な財産管理や包括的な代理制度ではない |
| 任意後見 | 本人が契約内容を理解できる段階で、将来の代理人と権限を決めたい | 親が成人した子について一方的に契約できない。現行制度では任意後見監督人選任で効力発生 |
| 法定後見 | 判断能力が不十分で、財産管理や法律行為への法的支援が必要 | 障害や被害歴だけで決めない。類型・権限・継続性・費用・本人への影響を確認 |
| 財産管理契約等 | 本人に判断能力があり、特定の事務を信頼できる相手へ委任したい | 本人が契約内容を理解する必要がある。取消権が当然に付くわけではない |
⑫ この事例で被害を止めた5つの改善策
契約前の「24時間ルール」
日用品以外の契約、毎月支払う契約、一定額を超える購入は、その場で決めず翌日まで待つことにしました。待つ間に、本人が選んだ支援者へ確認します。
生活費・固定費・貯蓄を分けた
本人の同意を得て用途別に整理し、普段使いの決済から貯蓄へ直接アクセスしにくい形にしました。残高不足や不明請求を月1回一緒に確認しました。
怒らずに早く話せる合図を決めた
「変な連絡が来た」と言えたこと自体を評価し、契約後でも責めないことを家族のルールにしました。その結果、被害が大きくなる前に画面を見せられるようになりました。
家族以外にも連絡先をつくった
家族が不在でも、相談支援専門員や事業所職員へ相談できるようにしました。本人の同意の範囲で、危険な勧誘の特徴と初動を共有しました。
3か月ごとに仕組みを見直した
禁止事項を増やすのではなく、本人が実際に使えたルール、使えなかったルールを確認しました。複雑な説明は短いカードへ変更しました。
この再構成事例では、一度に完璧な対策を作ったのではありません。本人が相談できた場面を増やし、少額の不明請求も確認することで、少なくとも見直し後の一定期間、新たな高額被害が発生しない状態を維持できました。
⑬ うまくいかなかった対応と改善方法
| うまくいかなかった対応 | 問題点 | 改善方法 |
|---|---|---|
| 「二度とだまされないで」と叱る | 本人が失敗を隠し、発見が遅れた | 報告できたことを評価し、事実確認を先にする |
| キャッシュカードを一方的に取り上げる | 本人の権利と生活上の必要を軽視し、別の決済手段へ移ることもある | 本人の意思、権限、必要性を確認し、用途別管理や上限を相談する |
| 相手をブロックすれば終わりと考える | 同じ名簿や別アカウントから勧誘される | 連絡手段、契約確認、口座、支援者連絡をまとめて見直す |
| 成年後見を使えば完全に防げると考える | 日常の連絡や現金被害まで自動的に防ぐ制度ではない | 法的権限と生活上の見守りを分けて設計する |
| 家族一人がすべて管理する | 家族が倒れると仕組みが止まり、親亡き後に引き継げない | 複数の支援者で役割分担し、記録を残す |
⑭ 再発防止のロードマップ
追加送金を止め、証拠を保存します。金融機関、決済事業者、警察、188へ早急に相談します。アカウントの不正利用が疑われる場合は、正規の窓口から停止・変更方法を確認します。
契約一覧、引落一覧、アプリ課金、カード、送金履歴を整理します。期限がある手続きから優先し、解約・取消し・被害申告の可否を確認します。
契約前の24時間ルール、相談用の合言葉、決済上限、用途別口座、連絡カードを作ります。本人が理解できる表現へ調整します。
本人の同意を得て、家族、相談支援、福祉事業所、必要な専門家の役割を共有します。家族が連絡できない場合の第2・第3連絡先を決めます。
日常生活自立支援事業、財産管理契約、任意後見、法定後見等について、本人の判断能力と必要な支援の範囲から検討します。被害歴だけで制度を決めません。
支援者ノート、契約一覧、口座、連絡先、本人の希望を更新します。親以外の支援者が見ても動ける内容になっているか確認します。
⑮ 保存版チェックリスト
被害が分かった直後
- □ 相手との追加連絡・追加送金を止めた
- □ メッセージ、契約書、振込明細、広告を保存した
- □ 利用した金融機関・振込先金融機関へ連絡した
- □ 緊急性に応じて110または#9110へ相談した
- □ 消費者ホットライン188へ相談した
- □ カード・スマホ決済・アプリ課金を確認した
契約と口座の見直し
- □ 契約名、事業者、契約日、申込経路を一覧にした
- □ クーリング・オフや取消し等の可能性を確認した
- □ 毎月の固定請求と不明請求を確認した
- □ 本人と相談し、生活費・固定費・貯蓄を整理した
- □ 決済通知、利用上限、セキュリティ設定を確認した
連絡体制と親亡き後
- □ 本人が使える短い断り方を決めた
- □ 家族以外の第2・第3連絡先を決めた
- □ 支援者ごとの役割を一覧にした
- □ 本人ができることと必要な支援を分けた
- □ 支援者ノートを作成・更新した
- □ 年1回の見直し日を決めた
⑯ 詐欺・勧誘被害についてのよくある質問
Q1.成人した子が契約したものを、親が解約できますか?
親子であっても、親が成人した本人の契約を当然に解約できるわけではありません。本人からの委任、成年後見人等の権限、契約先の手続きなどを確認します。まず本人と一緒に188へ相談する方法もあります。
Q2.障害があれば契約は無効になりますか?
障害名や手帳の有無だけで契約が一律に無効になるわけではありません。契約時に、その契約の意味や結果を判断できたか、不当な勧誘がなかったかなどを個別に確認します。
Q3.振り込んだお金は戻りますか?
必ず戻るとは限りません。振込先口座に資金が残っていることなど一定の条件のもと、振り込め詐欺救済法による被害回復分配金の対象となる可能性があります。時間が重要なため、警察と金融機関へ速やかに連絡してください。
Q4.家族が通帳を預かれば安全ですか?
一時的な安全確保に役立つ場面はありますが、本人の同意や権限を無視した管理は適切ではありません。また、スマホ決済や借入れなど別の経路が残る場合があります。口座だけでなく、契約・端末・連絡体制を一体で見直します。
Q5.被害が続くなら成年後見制度を使うべきですか?
被害の回数だけでは決められません。本人が対象となる契約をどの程度理解できるか、支援があれば判断できるか、必要な代理・取消権の範囲、制度利用の影響を確認します。日常の見守りは別に整える必要があります。
⑰ 関連記事・公的資料
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公的資料・相談窓口
- 消費者庁|消費者ホットライン188
- 消費者庁|特定商取引法ガイド
- 国民生活センター|高齢者・障がい者の見守り情報
- 金融庁|振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ
- 警察庁|特殊詐欺対策・相談窓口
- 法務省|法定後見制度について
※制度、相談窓口、法令の取扱いは変更されることがあります。2026年8月20日時点の公式情報を確認して作成していますが、具体的な案件では最新情報と個別事情をご確認ください。
⑱ まとめ|被害を止めるのは「禁止」ではなく仕組みの見直し
詐欺・勧誘被害が続くとき、必要なのは本人を責めることではありません。契約の入口、支払手段、相談までの時間、支援者の役割を見直し、被害が拡大しにくい仕組みへ変えることです。
契約前に一度止まる、生活費と貯蓄を分ける、迷ったら怒られずに相談できる。この3点を本人が使える形にすることが、再発防止の土台になります。
さらに、親が高齢になっても続くよう、家族以外の支援者、消費生活センター、金融機関、警察、法律専門職を含む連絡体制をつくりましょう。成年後見等を検討するときも、本人の意思と必要な支援の範囲から判断することが大切です。
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