【初心者向け】遺族年金の受給要件を徹底解説― もしものとき、家族の生活を守るために知っておくべき制度

【目次】

  1. 遺族年金とは?家族の生活を守るための公的制度

  2. 最も重要なポイント:遺族年金は「亡くなった人に保険料要件がある」

  3. 遺族年金の種類(遺族基礎年金・遺族厚生年金)

  4. 遺族基礎年金の受給要件

  5. 遺族厚生年金の受給要件

  6. 中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算

  7. 子どもがいない場合の遺族年金

  8. 内縁の妻・夫でも受け取れる?

  9. 受給の手続きに必要なもの

  10. よくある誤解と注意ポイント

  11. まとめ

  12. 📞ご相談はこちら


1|遺族年金とは?家族の生活を守る公的制度

遺族年金とは、
家計を支えていた人が亡くなってしまったとき、遺された家族の生活を保障するための国の制度です。

民間保険ではなく、
「国民年金」「厚生年金」など 公的年金の一部 であり、
ほとんどの人が何らかの形で対象になります。


2|最も重要なポイント

遺族年金は「亡くなった人の保険料納付状況」で決まる

遺族年金の受給可否は、申請者(遺族)ではなく、
亡くなった人がきちんと保険料を払っていたかどうか で判断されます。

厚生労働省・日本年金機構が定める重要な要件は次の通りです。

【保険料納付要件】

以下のいずれかを満たしていればOK:

  1. 亡くなる前日において、保険料の未納期間が「2/3未満」であること」

  2. 亡くなる前1年間に保険料の未納がないこと

この要件を満たしていない場合、
遺族年金が受け取れないケースがあるため非常に重要です。

(参考:日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html


3|遺族年金の種類

遺族年金には大きく分けて2種類あります。

●遺族基礎年金(全国民対象の基礎年金)

国民年金(自営業、学生、主婦、無職など)の加入者が対象。

●遺族厚生年金(会社員・公務員など厚生年金加入者)

厚生年金加入者が亡くなった場合に支給。

両方を同時に受け取れる人もいます。


4|遺族基礎年金の受給要件(子のある遺族が対象)

遺族基礎年金の最大の特徴は、

「子どもがいる遺族」だけが受給できる

という点です。

【受給対象者】

亡くなった方に以下いずれかがいる場合、その人が受給できます。

  • 18歳以下の子を養育している配偶者

  • 18歳以下の子
    ※障害等級1級・2級の子は20歳未満まで対象

【ここが重要】

子がいないと、原則として遺族基礎年金は受け取れません。


5|遺族厚生年金の受給要件(会社員・公務員の家庭)

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた人が亡くなった場合に支給されます。

【受給対象者】

下記のうちいずれかに該当する遺族。

  • 子(18歳到達年度末まで)

  • 夫(一定の収入要件あり)

  • 父母

  • 祖父母

優先順位があり、配偶者(妻)が最優先です。

【妻の要件】

働いていても受給できる点がポイント。

ただし 夫が遺族厚生年金を受け取る場合は収入制限 あり。


6|中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算

●中高齢寡婦加算(40〜64歳の妻向け)

夫が亡くなった時点で40〜64歳の妻に支給される。
子がいなくても支給される特徴があります。

●経過的寡婦加算(65歳以降)

老齢基礎年金が支給される65歳以降に上乗せされる加算。


7|子どもがいない場合の遺族年金

これは非常に誤解が多いポイントです。

■子どもがいないと遺族基礎年金は支給されない

→ 夫婦のみの家庭では基礎年金の部分はゼロ。

■遺族厚生年金は受給できる

条件を満たせば、妻または夫に支給される。


8|内縁の妻・夫でも受け取れる?

法律婚に限らず、内縁でも遺族厚生年金が受給できる場合があります。

ただし、

  • 同居していた

  • 生計が同一であった

  • 住民票の続柄に記載がある

  • 事実婚を示す証拠がある

など一定の証明が必要です。


9|受給手続きに必要なもの

遺族年金の申請には多くの書類が必要です。

【主な必要書類】

  • 年金請求書(様式)

  • 死亡診断書

  • 戸籍謄本

  • 世帯全員の住民票

  • 亡くなった人の住民票除票

  • 課税証明書

  • 収入証明書(夫が申請する場合)

  • 預金通帳

不備があると支給が遅れます。


10|よくある誤解と注意ポイント

1)「妻なら必ず受け取れる」は誤り

保険料未納があると受給不可。

2)子のいない夫婦は遺族基礎年金がない

厚生年金のみ対象になる。

3)保険料滞納が1年あるとアウト

亡くなる前1年の納付状況が特に重視される。

4)パートで働く妻でも受け取れる

妻の収入は不問。ただし夫が受給する場合は制限あり。


11|まとめ

遺族年金は、
遺族の生活を守る大切な公的保障 ですが、誤解が非常に多い制度です。

  • 子がいるかどうかで支給内容が大きく変わる

  • 亡くなった人の保険料納付状況が最も重要

  • 厚生年金に加入していたかどうかで支給対象が広がる

  • 内縁関係でも条件を満たせば受給可能

  • 書類の準備が複雑なので早めの手続きが大切

制度を正しく理解すれば、
「もしもの時」に家族の生活を守る大きな支えになります。


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