【チェックリスト付き】親亡き後の備えは大丈夫?障害のある子の将来を守るためのセルフチェックガイド

【目次】

  1. はじめに|「親亡き後の不安」は“備え”で確実に減らせる

  2. 親亡き後の備えが不十分なときに起きる問題

  3. 今すぐ確認できる!親亡き後セルフチェック

    • A|生活の基盤

    • B|お金と財産管理

    • C|法律的な手続き

    • D|緊急時の対応

    • E|親の亡き後の「つなぎ役」

  4. チェック結果の見方

  5. 備えを進めるための5つの具体策

  6. よくある相談例と解決の方向性

  7. まとめ

  8. お問い合わせ


1|はじめに|「親亡き後の不安」は“備え”で確実に減らせる

障害のある子をもつ親が抱える最大の心配事。
それが 「親亡き後、この子はどうなるのか」 という問題です。

しかし、心配の多くは“見通しが立たないこと”から生じます。

逆に言えば、
必要な項目を順番に整えていけば、不安は確実に軽くなります。

本記事は、
ご家庭が「どの程度準備できているのか」を確認できる
チェックリスト形式の総合ガイドです。

今日から「親亡き後の備え」を前に進められます。


2|親亡き後の備えが不十分なときに起きる問題

準備があいまいなままだと、次のような現実的リスクが発生します。

  • 住まいの継続ができない

  • 生活費が確保できない

  • 契約手続きができず、支援サービスが止まる

  • 親族間の負担が偏りトラブルになる

  • 子が詐欺・悪質商法の標的になる

  • 預金が凍結され支払いが滞る

  • 相続手続きが複雑化して数年かかる

これらは、事前の備えによりほぼ全て防げます。


3|今すぐ確認できる!親亡き後セルフチェック

下記の項目のうち、
「はい」が多いほど準備が進んでいます。
「いいえ」が多い部分は早めに整備が必要です。

【A|生活の基盤】

□ 将来の住まい(自宅・グループホーム等)の方針がある
□ 生活支援(ヘルパー・通所先)の確保の見通しがある
□ 緊急時に連絡できる支援機関を把握している
□ 医療・服薬情報をまとめている
□ 本人が安心して生活できる周囲の支援者が把握できている

【B|お金と財産管理】

□ 親亡き後の生活費の試算をしたことがある
□ 収入(障害年金等)と支出のバランスを把握している
□ 財産の管理方法(成年後見・家族信託など)の検討をした
□ 預金凍結時の資金確保方法を決めている
□ 悪質商法から本人を守る仕組みがある

【C|法律的な手続き】

□ 遺言書を作っている、または作成方針がある
□ 遺言の内容に「障害のある子への配慮」が含まれている
□ 成年後見制度・任意後見制度の違いを理解している
□ 親亡き後の契約行為を誰が担うか決まっている
□ 相続手続きに必要な書類の保管場所を整理している

【D|緊急時の対応】

□ 親が倒れたときの連絡先リストを作ってある
□ 医療・支援機関へ緊急連絡ルートが明確
□ 災害時の避難支援計画(個別計画)を持っている
□ 日々の服薬・医療情報が共有できる形で保管されている

【E|親の亡き後の「つなぎ役」】

□ 連絡調整や手続きを引き継ぐ人が決まっている
□ 専門家(行政書士・社協・相談支援専門員など)と繋がっている
□ 家族・きょうだいとの役割分担を話し合っている
□ 死後の事務(葬儀・契約停止など)を誰に任せるか決めている
□ 本人が困った時の相談先が複数ある

4|チェック結果の見方

  • 20〜25項目が「はい」
     → とても準備が進んでいます。定期的な見直しで十分。

  • 12〜19項目が「はい」
     → 概ね整っているが、生活・財産管理部分に優先順位をつけて整備を。

  • 0〜11項目が「はい」
     → 親亡き後の備えがほぼ手つかず。早めに支援機関・専門家へ相談を。

特に「B|お金」+「C|法律」+「E|つなぎ役」の3分野が
親亡き後の安心を決める最重要領域です。


5|備えを進めるための5つの具体策

① 生活・支援体制の見える化

  • 利用しているサービス

  • 緊急連絡先

  • 本人の得意・不得意
    などを記録化するだけでも、支援が途切れません。

② 財産管理の方法を決める

  • 成年後見

  • 任意後見

  • 家族信託
    目的に応じて最適な方法を選びます。

③ 遺言書の作成

障害のある子がいる家庭では、
“配分の工夫”と“管理者の指定”が非常に重要です。

④ 死後事務委任契約の検討

葬儀・手続き・契約停止など、
本人では難しい手続きを代わりに行ってもらえます。

⑤ つなぎ役(支援者)を確保

  • きょうだい

  • 親族

  • 社会福祉協議会

  • 行政書士

  • 相談支援専門員

複数ルートがあると安心です。


6|よくある相談例と解決の方向性

● ケース①

「きょうだいに負担をかけたくない」
→ 任意後見+家族信託+遺言の三点セットで支援体制を構築可能。

● ケース②

「生活費がどれくらい必要かわからない」
→ 年金・工賃・助成制度を元に生活設計を作成すれば明確になる。

● ケース③

「親が突然倒れたらどうすればいいの?」
→ 緊急連絡票・医療情報まとめ・死後事務委任契約で対応可能。

● ケース④

「本人が契約を理解できない」
→ 成年後見制度を活用し、本人の権利保護と手続きの代行をセットで確保。


7|まとめ

  • 親亡き後の不安は“見通しがないこと”が原因

  • チェックリストで不足部分が一目でわかる

  • 生活・お金・法律・緊急対応・つなぎ役
     この5分野を整えることが大切

  • 特に財産管理と法的備えは専門性が必要

  • 今日から“小さな準備”を始めるだけで不安は大きく軽減できる

親亡き後の備えは「早いほど安心、遅いほどリスクが大きい」ものです。
気づいた今が、一番良いスタートのタイミングです。


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