【保存版】知的障害・精神障害の家族のための“親亡き後”準備チェックリスト
印刷して、手書きでも使える保存版チェックシートです
【保存版】知的障害・精神障害の家族のための“親亡き後”準備チェックリスト(印刷OK)
親亡き後対策は、「何から始めればいいか分からない」で止まりやすいテーマです。遺言、成年後見、家族信託、障害年金、グループホーム、見守り契約…。大事な言葉はたくさんありますが、最初に全部理解しなくても大丈夫です。
大切なのは、親が今やっていることを、少しずつ“見える化”することです。知的障害・精神障害のある方の親亡き後で困りやすいのは、「制度がないこと」よりも、誰が、どこで、何を、どう引き継ぐかが分からないことです。
このページでは、印刷して使えるように、お金・住まい・支援者・医療・法律・引き継ぎを一枚ずつ確認できる形に整理しました。まずは全部埋めることより、空欄を見つけることを目的に使ってください。
このチェックリストの使い方
- 最初は 本人の基本情報、支援者、お金、住まい の4分野だけでも十分です。
- 分からない項目があって大丈夫です。分からないこと自体が、これから確認すべきことです。
- 親だけで抱えず、必要に応じて きょうだい・支援者・相談支援専門員・主治医・専門家 と共有できる形にしていくのがおすすめです。
- 年1回は見直し、更新・変更・亡失が起きやすいものは別にメモしておくと安心です。
まず最初に確認したい3つのこと
1|親しか知らない情報は何か
通院先、薬、受給者証、福祉サービス、緊急連絡先、口座、保険、家賃の支払方法など、親の頭の中にしかない情報を洗い出します。
2|毎月の生活は何で回っているか
障害年金、手当、工賃、家族援助、生活保護、家賃、食費、医療費など、収入と支出をざっくりでも見える化します。
3|親がいなくなったら誰が最初に動くか
最初の連絡、通院対応、お金の支払い、施設や役所とのやりとりを、誰が担当するのかを仮でも置いてみます。
ここが空白でも大丈夫です
親亡き後対策は、最初から完璧に決めるものではありません。空欄が見つかったら、それが次の相談テーマです。
印刷用チェックリスト本体
A|本人の基本情報
- 氏名・生年月日・住所・電話番号を書ける
- マイナンバーの保管場所が分かる
- 健康保険証または資格確認書等の保管場所が分かる
- 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳など、手帳の種類と更新時期が分かる
- 本人確認書類(身分証・印鑑・通帳など)の保管場所が分かる
- 本人が自分で説明できること/難しいことを家族が言語化できている
メモ欄
B|医療・服薬・福祉サービス
- 主治医・通院先・受診頻度が分かる
- 飲んでいる薬の名前・飲み方・薬局が分かる
- 自立支援医療の有無と更新時期が分かる
- 利用している障害福祉サービス(居宅介護、通所、計画相談、短期入所など)が一覧になっている
- 受給者証やサービス等利用計画の保管場所が分かる
- 相談支援専門員、事業所、訪問看護、ケースワーカー等の連絡先が分かる
- 救急搬送時に伝えるべき情報(服薬、アレルギー、かかりつけ病院)がまとまっている
メモ欄
C|お金・公的支援
- 障害年金を受給しているか、請求の可能性があるか確認している
- 特別児童扶養手当、特別障害者手当、障害児福祉手当など、該当しうる手当を確認している
- 生活保護利用の有無、担当福祉事務所、ケースワーカー名が分かる
- 毎月の収入(年金・手当・工賃・援助)を一覧にしている
- 毎月の支出(家賃・食費・光熱費・通信費・医療費)を一覧にしている
- 通帳・キャッシュカード・印鑑・証券・保険の保管場所が分かる
- 家賃や公共料金の支払い方法(引落口座、支払日)が分かる
- 親亡き後すぐに必要な“初動資金”をいくら見込むか考えている
- 障害者扶養共済制度(しょうがい共済)の加入有無を確認している
- 本人が日常的な金銭管理に不安がある場合、日常生活自立支援事業などの候補を確認している
ここが特に重要です
親亡き後対策は、まず「毎月いくらで生活が回るか」を見える化することが出発点です。総額の心配より、毎月の不足額が見えると次の打ち手が決まりやすくなります。
月次メモ
- 毎月の収入合計:
- 毎月の支出合計:
- 毎月の不足額/余剰額:
D|住まい・暮らし方
- 現在の住まいを続ける前提か、住み替えも含めて考えるかが整理できている
- 自宅の場合、固定資産税・修繕・近隣対応を誰が担うか考えている
- 賃貸の場合、契約者・保証会社・緊急連絡先が分かる
- グループホーム等を希望する場合、候補や見学歴を整理している
- 一人暮らしの場合、見守り・緊急連絡・服薬確認の体制を考えている
- 引越しが必要になった場合の候補地域・条件を家族で共有している
住まいメモ
E|家族・支援者・連絡網
- 親以外で、本人のことを把握している人が最低2人いる
- きょうだいに期待する役割を言語化している
- きょうだいに負担をかけすぎない設計を考えている
- 緊急時に最初に連絡する順番が決まっている
- 家族・親族・支援者・施設・病院・相談支援専門員の連絡先一覧がある
- 本人が苦手なこと、安心しやすい対応方法を支援者へ伝えられる形にしている
- 親が亡くなった後に「誰が窓口になるか」を仮決めしている
支援者リストは短くても大丈夫です
最初は、①家族窓口 ②医療窓口 ③福祉窓口 の3つだけでも整理すると、緊急時に動きやすくなります。
連絡先メモ
F|法律・財産管理・契約
- 遺言書を作る必要があるか家族で話し合った
- 遺言執行者を置くかどうか考えている
- 親の財産を、誰に・どのように残すか大まかに整理している
- 不動産を残す場合、共有を避けるかどうか考えている
- 本人が契約や大きなお金の管理を単独でしにくい場合、成年後見・任意後見・信託などの候補を比較した
- 「管理が必要なお金」と「すぐ使う生活資金」を分けて考えている
- 保険金・扶養共済・信託・預金など、親亡き後に入るお金の受け取り方を整理している
- 必要に応じて、専門家へ相談するテーマを分けている(相続、後見、信託、税務など)
制度の順番で迷ったら
「財産をどう残すか」は遺言・信託、「契約や判断をどう支えるか」は任意後見・成年後見、という整理をすると迷いにくくなります。
法律メモ
G|親が亡くなった直後の初動
- 親が亡くなったとき、最初に誰へ連絡するか決まっている
- 本人にどう伝えるか、支援者と一緒に考えている
- 住まい・通所・通院・服薬が止まらないよう、初動担当者を考えている
- 死亡後すぐに必要な書類や保管場所を家族が把握している
- 口座凍結や支払い変更で困るものを洗い出している
- 葬儀後に必要な役所・年金・保険・福祉の手続きを大まかに把握している
- 親しか知らないパスワード・契約・連絡先が埋もれないようにしている
初動メモ
H|この1か月でやることメモ
- まず家族で1回、30分だけ話す日を決める
- 支援者リストを1枚にまとめる
- 収入と支出をざっくり書き出す
- 手帳・受給者証・保険証の場所を確認する
- 住まいの方針を“今の仮案”だけでも置く
- 必要なら、相談支援専門員・主治医・専門家へ相談予約を入れる
完璧を目指さなくて大丈夫です
このチェックリストは、全部埋めることより、「何が空白か」を知るための道具です。空欄が多いほど、今から整えればよい余地があると考えてください。
このチェックリストで分かること
このチェックリストを使うと、主に次の3つが見えてきます。
1|親しか知らない情報
通院、服薬、受給者証、支払い、緊急連絡先など、今すぐ共有した方がよい情報が見えてきます。
2|制度より前に詰まりやすい部分
後見や信託以前に、連絡網・住まい・お金の流れが曖昧だったことに気づきやすくなります。
3|相談先の優先順位
何を誰に相談するかが整理しやすくなり、家族だけで抱え込む状態から抜けやすくなります。
親亡き後対策は“生活全体”です
遺言だけ、年金だけ、グループホームだけ、では完結しにくいです。生活・支援・お金・法律をつなげて考えることが大切です。
空欄が多かったときの進め方
空欄が多くても、まったく問題ありません。むしろ、その空欄が「これから整えるべきテーマ」です。
| 空欄が多かった分野 | 最初の動き方 |
|---|---|
| 医療・福祉 | 主治医、相談支援専門員、事業所へ確認する |
| お金・年金・手当 | 収入と支出を3か月分だけ書き出し、年金・手当の有無を確認する |
| 住まい | 今の家を続ける条件と、住み替え候補を分けて考える |
| 法律・相続 | 遺言・後見・信託を一気に決めず、まず「誰が何を担うか」を整理する |
| 支援者 | 家族以外で本人を知っている人を2人増やす意識で動く |
おすすめの順番
①本人の基本情報 → ②支援者 → ③お金 → ④住まい → ⑤法律の順番にすると、途中で疲れにくいです。
よくある質問
Q1|親亡き後対策は、まず何から始めればいいですか?
A|最初は、制度を選ぶことより、今の暮らしを見える化することから始めるのがおすすめです。誰が何を支えていて、毎月いくらかかり、どの支援を使っているかが分かると、その後の遺言・信託・後見の選び方もぶれにくくなります。
Q2|遺言書だけ作れば十分ですか?
A|遺言書はとても大切ですが、それだけで十分とは限りません。障害のある子の親亡き後対策では、お金、住まい、支援者、契約、緊急対応まで含めて考える必要があります。
Q3|成年後見と家族信託、どちらから考えるべきですか?
A|先に制度名から入るより、本人が何を自分でできて、どこに支援が必要かを整理してから考える方が失敗しにくいです。判断支援が中心なら後見、財産管理の設計が中心なら信託が候補になりやすいですが、組み合わせる家庭もあります。
Q4|このチェックリストは一気に全部埋めないと意味がありませんか?
A|そんなことはありません。大切なのは完璧さより順番です。まずは本人の基本情報、支援者、お金、住まいの4分野だけでも埋めると、次に何を相談すべきかが見えやすくなります。
Q5|印刷したあと、誰と共有すればいいですか?
A|家族だけでなく、必要に応じて相談支援専門員、信頼できるきょうだい、主治医、支援者、専門家と共有範囲を決めて使うのがおすすめです。全部を一度に渡さなくても、連絡先一覧だけ共有するなど、部分共有でも十分意味があります。