【徹底解説】障害のある子への生前贈与|親が元気なうちにできる安心の備えと注意点

【目次】

  1. 生前贈与が注目される理由

  2. 障害のある子に生前贈与をするメリット

  3. 生活費として渡す場合のメリット・デメリット

  4. 将来の生活資金として贈与する場合の注意点

  5. 生前贈与と相性の良い制度(障害者扶養信託・家族信託)

  6. 贈与税の注意点と非課税の範囲

  7. 生前贈与だけでは不十分?親亡き後に必要な対策

  8. 生前贈与の進め方(手続きの流れ)

  9. まとめ

  10. お問い合わせ


1|生前贈与が注目される理由

障害のある子の将来について心配を抱える親御さんの多くは、
「お金の管理ができるだろうか」
「親亡き後の生活費は大丈夫か」
という不安を抱えています。

その中で“生前贈与”は、
親が元気なうちに必要な資金を確保してあげられる方法として注目されています。

ただし、贈与は単純に渡せば良いわけではなく、
税金・管理方法・生活支援まで考えた上で設計する必要があります。


2|障害のある子に生前贈与をするメリット

● 将来の生活費を早めに確保できる

親亡き後に困らないように準備できる。

● 親の意思を反映した資金計画が立てられる

何に使ってほしいお金か、目的を明確にできる。

● 相続税の節税につながる可能性がある

長期的な贈与は相続税の圧縮にも効果的。

● 相続発生後のトラブルを避けやすい

兄弟姉妹への配慮とあわせて遺言を作れば、争いを防げる。


3|生活費として渡す生前贈与のメリット・デメリット

◎ メリット

  • 月々の支援がしやすい

  • 110万円の“贈与税非課税枠”を利用しやすい

  • 親が使い道を確認できる

▲ デメリット

  • 本人が自由に使えてしまう
    (浪費や詐欺被害のリスク)

  • 支援が親の体力・年齢に左右される

  • 大きな資産形成には向かない

障害のある子の場合、
生活費としての贈与は管理面のリスクが大きいため、
仕組みを整えずに渡す方法は推奨されません。


4|将来のための資金として贈与する場合の注意点

「老後の生活費として数百万円〜数千万円を遺したい」
と考える親御さんも多いですが、その場合は特に注意が必要です。

● 本人名義の預金は、管理が難しい可能性がある

・盗難リスク
・詐欺リスク
・生活保護などの制度との関係

● 成年後見制度が開始すると自由に使えなくなる

裁判所の許可が必要な場面が増え、柔軟な支援が難しくなる。

● 相続対策としても中途半端になることがある

贈与税・相続税の負担を把握しておく必要がある。

大きな金額を生前に渡す場合は、
必ず「管理する仕組み」とセットで考える必要があります。


5|生前贈与と相性の良い制度

障害のある子の場合、生前贈与だけでは不安が残ります。
そこで重要になるのが以下の制度です。

◆(1)障害者扶養信託

信託銀行が受託者となり、
贈与した金額を“障害のある子の生活費専用”として管理する制度。

  • 贈与税が大幅に軽減される

  • 資金が本人のためだけに使われる

  • 長期間の生活をカバーできる

最も税制優遇が大きく、安全性も高い制度です。

◆(2)家族信託

親族を受託者にして、
財産管理を柔軟に任せられる仕組み。

  • 財産の使い道を細かく指定できる

  • 成年後見より自由度が高い

  • 親・兄弟・専門家を組み合わせた支援体制が組める

特に、親亡き後も財産を長期管理したい家庭に向いています。


6|贈与税の注意点と非課税枠

● 110万円/年の贈与税の基礎控除

毎年110万円以内の贈与は非課税。

● 障害者扶養信託の特例

障害のある子への贈与は、
最大で6,000万円まで非課税枠が設定される場合もある
(制度の適用条件による)。

● 生前贈与加算のルール

贈与から3年以内に親が亡くなると、その贈与分が相続財産に加算される。

制度を誤解すると税負担が増えることもあるため、
税理士や専門家と連携しながら進めることが重要です。


7|生前贈与だけでは不十分?親亡き後に必要な対策

生前贈与はあくまで“財産の受け渡し”。
しかし、障害のある子に必要なのは、

  • 財産の管理

  • 生活の支援

  • 契約の代理

  • 死後事務の代行

など、もっと広範囲のサポートです。

そのため、生前贈与とあわせて次の対策が必要です。

  • 任意後見契約

  • 家族信託

  • 遺言書

  • 死後事務委任契約

  • 成年後見制度(必要な場合)

“お金を渡す”だけでは不十分で、
生活全体を支える仕組みを同時に考えることが重要です。


8|生前贈与の進め方(手続きの流れ)

  1. 親子の生活状況・今後の支援方針を整理

  2. 財産の種類と金額を把握

  3. 贈与の目的を明確化(生活費・将来資金・住宅費など)

  4. 税負担を試算

  5. 生前贈与の方法を選択(直接贈与・信託・扶養信託など)

  6. 必要書類の準備(贈与契約書など)

  7. 年ごとの贈与を継続し、記録を残す

  8. 管理方法の設計(信託・後見・遺言などと併用)

“目的 → 方法 → 管理”の順番で決めると、失敗がありません。


9|まとめ

障害のある子に対する生前贈与は、
親ができる最も現実的な支援のひとつです。

しかし、重要なのは

  • どのように贈与するか

  • 誰が管理するか

  • 税負担をどう抑えるか

  • 親亡き後の生活をどう支えるか

という点を総合的に設計することです。

生前贈与は“親亡き後問題”の解決策の一つに過ぎません。

任意後見・家族信託・遺言・死後事務委任契約などと組み合わせることで、
障害のある子の将来の安心は飛躍的に高まります。


【お問い合わせ】

障害を持つ子どもの親亡き後を支える会
〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町3-3-5 6階605

〒231-0032
神奈川県横浜市中区不老町1-6-9 第一HBビル8階A
TEL:0120-905-336

前へ
前へ

【知らないと損】障害を持つ子のための任意後見|親が元気なうちに必ず準備すべき安心の仕組み

次へ
次へ

【衝撃の事実】成年後見制度は本当に障害者に向いていないのか?専門家がメリット・デメリットを徹底解説