【初心者向け】障害を持つ子どもの「親亡き後」の住まい・施設選び
どこで、誰と、どう暮らす? 基本の選択肢と費用をやさしく解説
目次
親亡き後に「住まいの問題」が最も不安視される理由
障害のある子が利用できる住まい・施設の種類
それぞれの施設の特徴・費用・向いているケース
親が元気なうちに絶対に準備しておくべきこと
「親亡き後の住まい」はどのように決まるのか
親が亡くなった直後に必要となる支援体制
住まい選びのポイント(チェックリストつき)
まとめ──住まいの安心が、「親亡き後の安心」につながる
📞 ご相談はこちら
☎ 0120-905-336
1. 親亡き後に「住まいの問題」が最も不安視される理由
障害のある子を育てる親にとって、
「親がいなくなった後、この子はどこで生活するのか?」
という住まいの問題は、最も大きな不安材料です。
実際、多くの親御さんが次のような悩みを抱えています。
ひとりで生活できるのか
きょうだいに負担をかけすぎないか
グループホームの空きが少なくて入れないのでは
今のデイサービスが永続できるわけではない
そもそも親亡き後、誰が生活の面倒を見るのか
国も自治体も対策を進めていますが、
すぐに「希望の施設に入れる」わけではありません。
そのため、早めに住まいの選択肢を知っておき、準備することが大切 です。
2. 障害のある子が利用できる住まい・施設の種類
障害のある方の主な住まい・生活支援の場所は次のとおりです。
▼主な住まいの選択肢
グループホーム(共同生活援助)
障害者支援施設(入所施設)
自宅での単身生活(重度訪問介護などの利用)
親族のもとでの同居
民間の障害者向け住宅サービス(見守り付き賃貸など)
それぞれにメリット・デメリットがあり、
本人の障害の種類・程度、必要な支援量で適した選択が変わります。
3. それぞれの施設の特徴・費用・向いているケース
① グループホーム(共同生活援助)
もっとも利用者が多く、地域生活の中心的役割を担う住まいです。
▼特徴
一軒家やアパートで数名の利用者が生活
生活支援員が常駐し、食事・家事・服薬・金銭管理をサポート
日中は就労継続支援や生活介護に通う人も多い
▼費用の目安
家賃:2〜4万円(家賃補助あり)
食費:2〜3万円
共益費・水道光熱費:1〜2万円
生活支援費:1〜2万円(給付を利用)
➡︎ 実費で月4〜8万円ほどが目安。
▼向いているケース
軽度〜中度の知的障害・精神障害がある
単身生活が不安
見守りは必要だが、施設ほどの強度は不要
② 障害者支援施設(入所施設)
生活全般の介護と医療的な支援が必要な方のための施設。
▼特徴
24時間体制で支援員が対応
医療・介護のサポートが厚い
グループホームより入居枠が少なく競争倍率が高い
▼費用の目安
月7〜12万円ほど
(所得に応じて「負担上限月額」が決まるため大きく変わる)
▼向いているケース
重度の知的障害・身体障害
医療的ケアが必要
単身生活やグループホームが難しい
③ 自宅での単独生活(訪問系サービス利用)
在宅のまま、支援者が訪問して暮らす方法。
▼利用するサービス例
重度訪問介護
居宅介護(ヘルパー)
移動支援
▼生活イメージ
「一人暮らし+手厚い訪問支援」に近い形。
▼向いているケース
身体面は自立している
生活スキルが高い
自宅で暮らしたい意思が強い
④ 親族との同居
親族が強い責任感をもつケースもあります。
▼メリット
精神的に安心
サポートを柔軟に受けられる
経済負担を抑えられる
▼デメリット
きょうだいの負担が大きくなる
長期的には維持が難しくなることも
⑤ 障害者向け民間サービス(見守り付き賃貸など)
近年増加している民間の住まいの選択肢。
▼特徴
24時間の見守り
食事提供
障害福祉サービスとの連携
大手法人が参入しており安心感が高い
費用はやや高めですが、グループホームに空きがない場合の代替手段 として注目されています。
4. 親が元気なうちに絶対に準備しておくべきこと
(1)本人がどの程度の生活力を持っているか把握する
食事
入浴
金銭管理
服薬
外出支援
これらをチェックしておくと、将来必要な支援量が見えます。
(2)施設を見学し、候補を複数持っておく
グループホームは「空いていれば入れる」ものではなく、
5年以上待つケースもある のが現実です。
➡︎ 早めの見学・相談は必須。
(3)親自身の死後の対応を準備しておく
死後事務委任契約
任意後見契約
遺言書(財産分配の明確化)
信託の利用(生活費の確保)
住まいの選択は、これらの制度設計とセットで考える必要があります。
5. 「親亡き後の住まい」はどのように決まるのか
親が亡くなった直後、本人の生活場所は次の2つの要素で決まります。
① 行政の支援計画(障害福祉計画)
市区町村の障害福祉担当課が中心となり、
本人の障害状況・必要なサービスを踏まえて住まいを検討します。
② 親が残した準備・情報
本人の特性
これまでの生活習慣
好きなこと・苦手なこと
利用中のサービス
これらの情報がないと、行政は適切な住まいを選びにくくなります。
➡︎ 「親のエンディングノート」や「支援記録」を残しておくことが必須 です。
6. 親が亡くなった直後に必要となる支援体制
●(1)緊急対応(48時間以内)
親族・支援者・行政が連携
一時的なショートステイ利用など
●(2)中期対応(1週間〜1ヶ月)
今後の生活場所の仮決定
グループホーム入所調整
医療・福祉サービスの確保
●(3)長期対応
本人が安心して暮らせる住まいの確保
支援計画の見直し
➡︎ 住まいが安定すると、就労や日中活動も安定するため、
生活全体が整う最重要ポイント になります。
7. 住まい選びのポイント(チェックリスト)
▼本人の特性
コミュニケーションが得意?苦手?
パニック・暴力行動の有無
医療的ケアの必要性
▼生活力
金銭管理はどの程度できる?
調理や掃除は?
薬の管理は?
▼環境
通っている施設との距離
安心して暮らせる地域か
移動支援の手配は可能か
▼家族の希望
将来どこで暮らしてほしいか
きょうだいが支える範囲はどこまでか
財産の管理方法(信託・後見など)
これらを整理すると、
どの施設が本人に合っているか明確になります。
8. まとめ──住まいの安心が、「親亡き後の安心」につながる
障害を持つ子の親亡き後を考えるとき、
もっとも重要なのは 「どこで生活するか」 です。
グループホーム
入所施設
自立生活
親族の支援
民間サービス
選択肢は多いですが、
準備を始めるのは早ければ早いほど良い という点は共通しています。
親が健在なうちに見学し、制度を理解し、
財産管理や生活費の確保(信託・後見など)も整えておくことで、
本人の安心と生活の質は大きく変わります。
一緒に、最善の住まいの形を考えていきましょう。
📞 ご相談はこちら
「うちの場合、どんな備えをすればいいのか知りたい」
障害を持つ子どもの将来設計について相談したい方は、お気軽にご相談ください。
障害を持つ子どもの親亡き後を支える会
〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町3-3-5 6階605
〒231-0032
神奈川県横浜市中区不老町1-6-9 第一HBビル8階A
☎ 0120-905-336
お子さまの将来に安心をつくるための制度設計を、専門家と一緒に検討してみませんか?