任意後見契約とは?|知的障害・精神障害の家族が知るべきメリット・デメリットと始め方
「将来、判断能力が低下したとき、この子の生活やお金は誰が守ってくれるのだろう」
知的障害・精神障害のある家族を支える親御さんから、よく聞かれる不安です。
成年後見制度の存在は知っていても、
「いきなり後見人をつけるのは不安」「できれば自分で人を選びたい」
そう感じる方も少なくありません。
そこで注目されているのが任意後見契約です。
この記事では、任意後見契約の仕組みを軸に、
メリット・デメリット、向いている家庭、始め方を初心者向けに解説します。
・任意後見契約とは何か(法定後見との違い)
・知的障害・精神障害の家族に向いている理由
・始めるタイミングと注意点
目次
1. 結論|任意後見は「元気なうちに備える後見制度」
最初に結論です。
任意後見契約は、判断能力があるうちに「将来の後見人」を決めておく制度です。
すでに判断能力が低下してから始まる法定後見とは異なり、
「誰に、どこまで任せるか」を本人や家族の意思で決められる点が最大の特徴です。
知的障害・精神障害のある方の場合、
「今は生活できているが、将来が不安」という段階で備えられることが強みです。
2. 任意後見契約とは?基本の仕組み
任意後見契約とは、
将来、判断能力が不十分になったときに備えて結ぶ契約です。
任意後見受任者:支援する人(親族・専門家など)
家庭裁判所:開始後の監督を行う
ポイントは、
契約しただけでは、すぐに後見は始まらないという点です。
判断能力が低下し、家庭裁判所が「任意後見開始」を認めた時点で、
初めて任意後見人としての権限が発生します。
3. 知的障害・精神障害の家族に向いている理由
任意後見契約は、次のような家庭に特に向いています。
- 今は判断能力があり、意思表示ができる
- 将来の生活やお金の管理が心配
- 支援してほしい人を自分で選びたい
精神障害の場合、
調子の良い時と悪い時の波があるケースも少なくありません。
任意後見なら、
「まだ大丈夫な時期」は本人中心、必要になったら支援開始
という柔軟な対応が可能です。
4. メリットとデメリットを正しく理解する
メリット
- 後見人を自分で選べる
- 支援内容を事前に決められる
- 突然、見知らぬ第三者が後見人になるリスクが低い
デメリット
- 必ず公正証書での契約が必要
- 後見開始後は家庭裁判所の監督が入る
- 財産管理の自由度は家族信託より低い
「自由に使わせたくないお金がある」場合は、
任意後見だけでは不十分なケースもあります。
5. 始め方と契約までの流れ
任意後見契約は、次の流れで進めるのが一般的です。
- 本人の意思確認(とても重要)
- 誰を任意後見人にするか検討
- 支援内容(お金・契約・手続き)を整理
- 専門家と契約書案を作成
- 公証役場で公正証書を作成
本人の理解と同意が前提となるため、
早めの準備が重要です。
6. よくある誤解と失敗例
・契約したらすぐ後見が始まる
・すべてのお金を自由に管理できる
・家族だけで完結する制度
実際には、
家庭裁判所・後見監督人の関与が必ず入ります。
そのため、
「柔軟なお金の使い方」を希望する場合は、
別の仕組みと組み合わせる視点が欠かせません。
7. 家族信託・遺言との併用が重要な理由
実務では、任意後見契約だけで完結させることは少なく、
次のような組み合わせが多く見られます。
- お金の管理:家族信託
- 身上監護・契約行為:任意後見
- 親亡き後の財産承継:遺言書
役割を分けて設計することで、
将来のトラブルや不安を大きく減らすことができます。
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