グループホームの空きがない|並行戦略(短期入所・在宅支援)で乗り切った事例
グループホームの空きがない|並行戦略(短期入所・在宅支援)で乗り切った事例
「グループホームに入りたいのに空きがない」——これは今、どの地域でも珍しくありません。
大切なのは、空きが出るまで“待つ”のではなく、空き待ち期間を乗り切る設計を同時に進めることです。
最初に結論(空き待ちを“崩れない状態”で越える3本柱)
① 住まい探しは継続:複数ホームに並行で当たり、見学・体験を積む
② つなぎを用意:短期入所(ショート)を“計画的に”確保して家族の限界を守る
③ 在宅を固める:居宅介護・重度訪問介護・訪問看護・移動支援などを組み合わせ、空き待ち中も生活を回す
※本記事はモデル事例です。利用できるサービス・要件・呼び方は自治体や本人の状況で異なります。
0. なぜグループホームが「空き待ち」になりやすいのか
空きが出にくい理由は「人気だから」だけではありません。実務では、次の事情が重なります。
- 退去が少ない:長期入居が前提で、回転が遅い
- ミスマッチ回避のため慎重:支援体制・他入居者との相性を確認する
- 人員確保が難しい:職員配置で定員を満たせないことがある
- 本人の条件がある:医療的ケア、夜間支援、行動障害など
だから「1か所に申し込んで待つ」だと、待機が長期化しやすい。“並行戦略”が現実的です。
1. 解決事例:空きなしで詰みそう→並行戦略で生活を守った
個人が特定されないよう調整したモデル事例です。ポイントは「入居決定までの期間」に、家庭が崩れない仕組みを作ったことでした。
状況
- 本人:知的障害。生活リズムが崩れると混乱しやすい
- 家族:介護・見守りが増え、仕事と両立が限界
- 課題:グループホームを複数見学したが、どこも空きがない
- 危機:家族の体調悪化が続き、在宅だけでは継続困難
打った手(並行戦略)
- ホーム探しを“分散”:候補を複数に広げ、体験・面談の回数を増やした
- 短期入所を“定期化”:月○回のショートを先に押さえ、家族の休息と緊急時の逃げ道を作った
- 在宅支援を再設計:夕方〜夜の弱い時間帯に居宅介護や見守りを集中
- 相談支援と連携:サービス等利用計画に「空き待ち期間の運用」を反映し、支給決定を整えた
結果:入居が決まるまでの期間も生活が崩れず、家族の限界を守りながら入居につなげました。
2. まずやること:空き待ち期間の「崩れるポイント」を特定
空き待ち中に壊れやすいのは、だいたい“特定の時間帯”です。ここを特定すると、支援の入れ方が決まります。
- 崩れやすい時間帯:朝/夕方/夜間/休日 どこ?
- 崩れたときの結果:事故・徘徊・近隣トラブル・家族の不眠など
- 家族が限界になる条件:夜間○回、介助○時間で限界、など
- 今ある支援:入っているサービスと“穴”を洗い出す
- 緊急時の逃げ道:短期入所の候補・受け入れ条件
重要
空き待ち対策は「頑張る」ではなく、崩れるポイントに支援を集中させるのがコツです。
3. 並行戦略①:グループホーム探しを“勝てるやり方”に変える
空き待ちが長いときほど、探し方を変えるだけで結果が動きます。
探し方の実務ポイント
- 候補を増やす:1〜2か所ではなく、複数を並行(待機を分散)
- 体験・面談を積む:「空きが出たら連絡」より、関係性ができる
- 条件を言語化:夜間支援の必要性、医療、行動面などを整理して伝える
- 支援者同席:相談支援専門員に同席してもらうと、伝わる精度が上がる
- “今すぐ入居”に固執しない:体験→短期→段階入居の道が開くことがある
注意
「空きが出たら入れるはず」と待つだけだと、時間が過ぎるほど家庭の余力が削られます。
入居探しは継続しつつ、同時に“つなぎ”を作るのが現実解です。
4. 並行戦略②:短期入所(ショート)を計画的に確保する
ショートは「いざという時だけ」だと取りづらいことがあります。実務では定期的に利用して関係性を作る方が、緊急時にもつながりやすいです。
ショートを“定期化”する狙い
- 家族の休息(レスパイト)を確保する
- 本人が“泊まる経験”を積み、入居移行が楽になる
- 緊急時の受け皿を事前に作る
ショートの確保でやること(実務の型)
- STEP 1候補施設を複数化
受け入れ条件(医療・行動面・送迎など)を整理して当たる - STEP 2まずは体験から
短い利用→慣れる→定期化の順で負担を下げる - STEP 3家庭の限界ラインを先に決める
「月○回は必須」「連続○泊は難しい」など現実の設計 - STEP 4相談支援と計画に反映
定期ショートの目的(休息/安全)を明確にして整合性を取る
5. 並行戦略③:在宅支援を組み直して「空き待ち仕様」にする
空き待ち中は、在宅支援が「一時しのぎ」ではなく、一定期間回る“運用”である必要があります。
在宅支援の組み直しチェック
- 弱い時間帯に集中:夕方〜夜、休日など“崩れる時間”に支援を寄せる
- 見守りの目的を明確化:安全確保/服薬/金銭/対人トラブル防止など
- 複数サービスの組み合わせ:居宅介護・重度訪問介護・訪問看護・移動支援など
- 家族の役割を減らす:家族が“最後の砦”にならない設計
- 緊急連絡ルール:体調悪化・行動の急変時の連絡先と手順
ここで効くのは「気持ち」ではなく、1週間の生活が回る“時間割”です。
(例)空き待ち中の“生活が回る”設計イメージ
| 枠 | 狙い | 具体策 |
|---|---|---|
| 平日夕方 | 混乱・事故リスクの低減 | 居宅介護(見守り+家事)を集中 |
| 休日 | 家族の休息確保 | 移動支援で外出・活動を組む |
| 月2回 | レスパイト+緊急時の逃げ道 | 短期入所を定期化 |
| 体調悪化時 | 医療と生活の分離 | 訪問看護・主治医連携(必要に応じて) |
6. 手続きの流れ:誰が・いつ・どこで・何を・どの書類で
空き待ち対策は「ホーム探し」だけでは終わりません。並行で回すための順番を示します。
-
STEP 1
崩れるポイントの特定(2週間の記録)
誰が:家族+可能なら支援者
何を:時間帯・困りごと・結果・家族負担を短く記録 -
STEP 2
相談支援と作戦会議(並行戦略の設計)
どこで:相談支援事業所(面談)
書類:記録メモ、現在の支給決定内容、困りごとの整理 -
STEP 3
短期入所(ショート)候補に当たる→体験→定期化
何を:受け入れ条件の確認、体験日程の確保、定期枠の相談 -
STEP 4
在宅支援の組み直し(弱い時間帯へ集中)
事業所の人員状況も踏まえて、現実に入る枠で時間割を作る。 -
STEP 5
ホーム探しを継続(複数候補・体験・関係性づくり)
“連絡待ち”にしない。面談・体験を積み、優先順位を上げる。
7. よくある失敗(1本足/連絡が散らかる/家族が限界)
- 失敗①:ホームの空きを待つだけで、つなぎ(ショート・在宅)を作らない
- 失敗②:候補を1か所に絞り、待機が長期化
- 失敗③:家族が無理して埋め続け、制度側に“足りている”と見える
- 失敗④:相談支援・事業所・家族の連絡が散らかり、話が進まない
- 失敗⑤:本人の慣れ(体験)を積まず、入居移行でつまずく
最重要
空き待ちの期間こそ、家族が倒れない設計が必要です。
「ホーム探し」「ショート」「在宅」——この3つを同時に回すのが、現場で一番失敗が少ないやり方です。
8. Q&A(体験利用は?費用は?急変したら?)
Q1. グループホームは「体験利用」できますか?
施設や自治体の運用によりますが、体験や短期間の利用を設けているところがあります。
体験は「相性」と「必要な支援量」を確認する機会です。
相談支援に同席してもらい、本人の特性と必要な配慮を整理して伝えるとスムーズです。
Q2. ショートを増やしたいけど、取れません。
取れない理由が「支給決定が足りない」のか「空きがない」のかで対策が変わります。
空きがないなら候補施設の分散、支給決定が足りないなら相談支援と計画(案)を厚くして見直しを検討。
いずれも、欠員(取れなかった実績)を記録しておくと次の交渉材料になります。
Q3. 家族の体調が急に悪化しました。優先順位は?
最優先は「安全確保」と「緊急の逃げ道」です。
相談支援に早めに共有し、短期入所の緊急受け入れ、在宅支援の集中、医療連携(必要なら)を同時に動かします。
家族が倒れると本人の生活も崩れます。遠慮せず、現状を具体的に伝えてください。
Q4. 入居までの間、本人が不安定になります。
変化は本人にとって大きなストレスです。
在宅支援を「同じ曜日・同じ人・同じ流れ」に寄せると落ち着きやすいことがあります。
体験利用やショートで“泊まる経験”を段階的に積むのも有効です。
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📞 ご相談はこちら
グループホームの空き待ちは、家庭が悪いのではなく構造的な課題です。
だからこそ、「ホーム探し×短期入所×在宅支援」を同時に回して、入居までの期間を“崩れない状態”で越える設計が重要になります。
ご家庭の状況に合わせて、候補の広げ方、ショートの確保、在宅支援の時間割まで、実務で回る形に整えます。
☎ 0120-905-336
相談時にあるとスムーズ:本人の困りごと(時間帯・行動面)/現在の支給決定内容/相談支援の有無/希望するホーム条件/短期入所の利用状況(取れない回数が分かると◎)