2026年成年後見制度改正で何が変わる?家族が今から知るべきポイントをわかりやすく解説

📞 成年後見制度改正を見据え、親亡き後の備えを整理したい方へ

2026年に成立した成年後見制度の見直しでは、 「一度始めたら原則として終わらない」制度から、必要な支援を必要な範囲・期間で使う制度 への転換が目指されています。

ただし、制度改正だけで、住まい・医療・福祉サービス・お金の問題が自動的に解決するわけではありません。

障害のあるお子さまの将来については、本人の希望を確認しながら、 成年後見・任意後見・遺言・家族信託・福祉サービス を生活全体の中で組み合わせて考えることが大切です。

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本記事の前提

2026年6月に成立した改正法は、まだ施行前です。

成年後見制度に関する主要部分は、公布後、原則として2年6か月以内の政令で定める日から施行される予定です。実際の施行日、家庭裁判所の運用、必要書類や手続きは今後公表される情報を確認してください。

今すぐ財産管理や契約支援が必要な場合は、改正を待つだけではなく、現行制度・福祉サービス・任意後見・財産管理契約などを含めて早めに検討することが大切です。

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などにより、契約や財産管理について支援が必要な方を守るための制度です。

一方で、これまでの制度については、

  • 一度利用すると、原則として長期間続く
  • 本人の状況が変わっても、制度を終わらせにくい
  • 本人の意思より、財産保護が優先されやすいと感じる
  • 親族以外の専門職後見人が選ばれる場合がある
  • 支援の範囲が本人にとって広すぎると感じることがある

といった悩みや指摘がありました。

今回の改正では、こうした課題を踏まえ、 本人の意向をより丁寧に確認し、必要な支援だけを組み合わせる方向 へ制度が大きく見直されます。

この記事で分かること
  • 2026年成年後見制度改正の全体像
  • 後見・保佐・補助の3類型がどう変わるか
  • 「終身利用」が見直される意味
  • 新しく設けられる特定補助とは何か
  • 本人の意思尊重・支援者交代・報酬の考え方
  • 任意後見制度がどう使いやすくなるか
  • デジタル遺言と呼ばれる保管証書遺言の内容
  • 障害のある子の家族が今から準備したいこと

① まず結論|成年後見制度は「必要なときに、必要な範囲で」使う方向へ

今回の改正で最も大きなポイントは、 成年後見制度を一度始めたら原則としてずっと続く仕組みから、本人に必要な支援がある間だけ使う仕組みへ近づけること です。

現行制度では、成年後見・保佐・補助という3つの類型があり、本人の判断能力の程度に応じて制度を選ぶ考え方が採られています。

改正後は、法定後見制度の中心を「補助」に一本化し、本人に必要な同意権・取消権・代理権などを、家庭裁判所が個別に決める仕組みに変わります。

現行制度 改正後の方向性
後見・保佐・補助の3類型 後見・保佐を廃止し、補助を中心とした制度へ再編
判断能力の程度を基準に類型を選ぶ 本人に必要な保護・支援の内容を個別に考える
一度始めると長期間継続しやすい 必要性がなくなれば、家庭裁判所が審判を取り消せる
本人の意思確認が十分でないと感じる場面がある 情報提供・意向把握・意向尊重を制度上より明確にする
大切な注意点

障害があること、診断名があること、手帳を持っていることだけで、成年後見や補助が自動的に必要になるわけではありません。

重要なのは、 本人がどのような契約・財産管理・生活上の判断で困っているか です。

たとえば、日常生活は安定していても、不動産の売却や遺産分割だけを支援する必要がある場合もあります。一方で、金銭管理、契約、住まい、福祉サービスなど複数の場面で継続的な支援が必要な場合もあります。

② いつから変わる?改正法の施行スケジュール

改正法は2026年6月に成立しましたが、成立した日からすぐに新制度が使えるわけではありません。

成年後見制度の再編、任意後見制度の見直しなどは、公布後、原則として2年6か月以内の政令で定める日から施行される予定です。

内容 施行の見込み
成年後見制度の再編 公布後、原則として2年6か月以内の政令で定める日
任意後見制度の見直し 成年後見制度の再編と同じタイミングでの施行が想定される
保管証書遺言 公布後、3年以内の政令で定める日
自筆証書遺言の押印要件の見直しなど 一部は公布後、1年以内の政令で定める日
家族が今すべきこと

「新制度が始まってから考えよう」と先延ばしにするよりも、今のうちに、

  • 本人に必要な支援は何か
  • 親が今担っている役割は何か
  • 住まい・医療・福祉・お金のどこに不安があるか
  • 成年後見以外の方法で対応できる部分はあるか

を整理しておくことが大切です。

③ 後見・保佐・補助の3類型はどう変わる?

現行の法定後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて、成年後見・保佐・補助に分かれています。

改正後は、後見・保佐という類型を廃止し、 判断能力が不十分な方を「補助」の制度で支える形へ一本化 されます。

現行 主なイメージ
成年後見 判断能力を欠く常況にある方について、広い範囲の法律行為を支援・保護する制度
保佐 重要な財産行為について、保佐人の同意や取消しの仕組みを設ける制度
補助 本人の同意を基本としつつ、必要な行為に限定して支援を加える制度
改正後 主な考え方
補助に一本化 本人に必要な支援内容を、同意権・取消権・代理権などから個別に決める
特定補助 判断能力を常に欠く状態にあり、重要な財産行為の保護が必要な場合に、例外的に強い保護を設ける

この改正は、「補助」という名称になったから支援が軽くなる、あるいは保護が弱くなるという意味ではありません。

本人の生活・財産・契約上のリスクに応じて、 必要な部分だけを家庭裁判所が定める 方向へ変わるということです。

「補助に一本化」=家族だけで自由に決められる、ではありません

補助の開始、同意権・取消権・代理権の範囲、補助人の選任・変更・終了などは、家庭裁判所の審判が関わります。

家族だけで「この人が代理人」「この契約は取り消せる」と決めることはできません。

④ 新しい「補助」は何をしてくれる?権限はどう決まる?

改正後の補助では、本人にどのような支援が必要かに応じて、家庭裁判所が権限を定めます。

主な支援の形は、次の3つです。

仕組み 内容
同意権 本人が一定の重要な行為をする際に、補助人の同意を必要とする仕組み
取消権 必要な同意を得ずに行った行為を、一定の範囲で取り消せる仕組み
代理権 本人に代わって、補助人が必要な契約や手続きを行う仕組み

たとえば、本人が日常の買い物や生活は自分でできる一方で、

  • 高額な契約を理解することが難しい
  • 不動産の売却や遺産分割を一人で進めることが難しい
  • 年金や福祉サービスに関する手続きで継続的な支援が必要
  • 悪質商法・詐欺・借入れのリスクが高い

といった場合、その困りごとに合わせて必要な権限を検討します。

日常生活のすべてを制限する制度ではない

補助の同意権や取消権の対象からは、日用品の購入など、 日常生活に関する行為は原則として除かれます。

本人の生活を過度に制限するのではなく、重要な財産・契約上のリスクをどう防ぐかという視点で、支援範囲を考えることになります。

⑤ 特定補助とは?重要な財産行為をどう守る?

改正後の制度では、判断能力を常に欠く状態にあり、重要な財産上の行為について特に保護が必要な場合に、 「特定補助人」 を付ける仕組みが設けられます。

これは、現行の成年後見制度に近い保護が必要となるケースを想定した、例外的な仕組みです。

特定補助で想定されること
重要な財産上の行為の取消し 預貯金の払戻し、借入れ、保証、不動産処分など
遺産に関する手続き 相続の承認・放棄、遺産分割など
住まいに関する重要な契約 居住用不動産の処分、重要な修繕や契約など
訴訟・和解など 法的手続きを進めるうえで重要な判断が必要な場面

法律上は、重要な財産行為として11類型が定められ、その中から家庭裁判所が必要と判断した範囲で保護が及ぶ仕組みです。

特定補助でも、何でもできるわけではありません

特定補助人が付いたからといって、本人の生活に関するあらゆる判断や、すべての医療行為への同意を自由にできるわけではありません。

特に医療同意については、成年後見・補助だけで一律に解決する問題ではありません。

通院先、主治医、服薬、緊急連絡先、入院時の対応、本人の希望などを、別途整理しておくことが重要です。

⑥ 「終身利用」が見直される|途中で終了・変更できる仕組みへ

現行制度では、一度成年後見などが始まると、本人の判断能力が回復しない限り、原則として制度が続くことが多いとされてきました。

今回の改正では、 本人に必要な保護・支援がなくなった場合、家庭裁判所が補助に関する審判を取り消せる仕組み が設けられます。

見直しの対象 考え方
同意権・取消権 必要がなくなれば、範囲を見直したり、審判を取り消したりできる
代理権 支援が不要になった部分について、取り消し・変更を検討できる
補助開始そのもの 必要な審判がすべて不要になれば、補助開始も終了する仕組み
「自動終了」ではありません

必要性がなくなったからといって、制度が自動的に終わるわけではありません。

家庭裁判所への申立てや、裁判所による判断が必要になります。

ただし、 相続手続きや不動産売却など、特定の課題を終えた後に制度を見直せる可能性が広がる 点は、大きな変化です。

⑦ 本人の意思尊重と、補助人の交代・報酬の考え方

改正後の補助人には、事務を行う際に、本人の心身の状態に応じた方法で情報を提供し、本人の意向を把握し、その意向を尊重することが明確に求められます。

これは、 「本人に代わって決める」だけではなく、「本人が分かる形で説明し、本人の意思を確認する」 という意思決定支援の考え方を重視するものです。

本人の意思を確認するために大切なこと

  • 難しい言葉だけで説明しない
  • 本人が理解しやすい資料・絵・写真・メモを使う
  • 一度に結論を求めず、考える時間を確保する
  • 本人が安心できる支援者の同席を検討する
  • 「できないこと」だけでなく、本人が大切にしていることを確認する

補助人の交代も、本人の利益を基準に考える

改正後は、補助人に不正や著しい任務違反がある場合だけでなく、 本人の利益のために特に必要がある場合 にも、家庭裁判所が補助人を解任できる仕組みが設けられます。

ただし、家族が希望すれば自由に交代できるという意味ではありません。 本人の状況、生活、財産、補助人との関係などを踏まえ、家庭裁判所が判断します。

報酬は「具体的な事務内容」を踏まえる方向へ

補助人の報酬については、具体的な事務内容、本人や補助人の資力などを考慮して定める仕組みが明確化されます。

ただし、改正後に必ず報酬が安くなる、毎月の費用がなくなるという意味ではありません。

報酬の考え方や運用は、今後の家庭裁判所の実務も確認する必要があります。

⑧ 任意後見制度はどう変わる?契約変更・監督・補助との併用

任意後見制度とは、本人が元気なうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、誰に何を任せるかを公正証書で決めておく制度です。

今回の改正では、任意後見制度も、より柔軟に使える方向へ見直されます。

主な見直し 内容
契約内容の変更 公正証書により、代理権の追加・修正などを行いやすくする
一部解除 任意後見開始後も、家庭裁判所の許可を得て、契約の全部または一部を解除できる仕組み
監督人の例外 明らかに任意後見監督人による監督が不要と家庭裁判所が認める場合、例外的に監督人を選任しないことができる
補助との併用 任意後見で足りない部分を、法定後見の補助で補うことが可能になる方向
不開始の合意 複数の受任者がいる場合などに、一定の順序で後見を開始する合意を作れる仕組み
監督人が不要になるのは例外です

任意後見は、現在も将来も、家庭裁判所が関わる制度です。

改正後も、任意後見監督人を選任しないで開始できるのは、 家庭裁判所が明らかに監督の必要がないと認める例外的な場合 です。

家族の希望だけで監督人を外せるわけではありません。

任意後見が向いている家庭の例
  • 本人が将来への備えを理解し、契約できる状態にある
  • 信頼して任せられる人がいる
  • 将来、誰にどの手続きを任せたいか具体的に決まっている
  • 親が高齢になった場合に備え、支援者をあらかじめ決めたい
  • 成年後見を急に始める前に、本人の意思を反映した仕組みを作りたい

⑨ 今すでに成年後見・保佐を利用している場合はどうなる?

改正後に、現在利用している成年後見や保佐が自動的に終了したり、自動的に補助へ切り替わったりするわけではありません。

施行日前に開始している成年後見・保佐については、原則として従来の制度が引き続き適用される経過措置が設けられます。

現在の状況 改正後の考え方
成年後見を利用中 原則として従来の制度が継続。自動的に終了・切替にはならない
保佐を利用中 原則として従来の制度が継続。必要に応じて今後の手続きを検討
補助を利用中 改正後の仕組みとの関係を、施行時期や裁判所の運用に応じて確認
これから申立てを検討 今必要な支援を優先し、改正待ちが適切かを個別に判断
必要な支援を「改正待ち」にしない

遺産分割、不動産売却、施設入所、福祉サービス契約、親の急な入院など、今すぐ支援が必要な場合があります。

新制度の施行を待っている間に、本人の生活や権利を守れなくなる可能性があるなら、現行制度を含めて早めに対応を考える必要があります。

⑩ デジタル遺言とは?保管証書遺言の新設

今回の改正には、成年後見制度だけでなく、 保管証書遺言 という新しい遺言制度の創設も含まれています。

一般に「デジタル遺言」と紹介されることがありますが、単にスマートフォンのメモやパソコンの文書を残せば有効になる制度ではありません。

保管証書遺言のポイント 内容
作成方法 電子データや書面を用いた遺言を想定
保管 法務局で保管される仕組み
本人確認 遺言書保管官の前で、遺言内容を口述することが必要
遠隔対応 本人から申出があり、相当と認められる場合は、映像・音声による対応が可能となる予定
効力 法務局で保管されて初めて効力が生じる仕組み
保管証書遺言でも、遺言能力の問題は残ります

デジタル化されることで、紛失・改ざん・保管の不安は減らせる可能性があります。

しかし、遺言を作る本人に十分な判断能力があったか、誰かから不当な影響を受けていなかったか、内容が家族にとって公平かといった問題が自動的に解決するわけではありません。

障害のある子どもの将来を考える遺言では、 誰に何を残すかだけでなく、財産を誰が管理し、本人の生活にどう使うか まで設計することが大切です。

⑪ 障害のある子の家族が今から確認したい6つのこと

成年後見制度改正をきっかけに、家族が最初に考えるべきことは、「どの制度を使うか」ではありません。

まずは、本人の生活の中で、どの場面に支援が必要かを見える化しましょう。

1.本人が困っている契約・手続きは何か

  • 高額な買い物やスマートフォン契約
  • 賃貸借契約やグループホーム入居契約
  • 銀行・年金・福祉サービスの手続き
  • 相続・遺産分割・不動産の名義変更
  • 詐欺・悪質商法・借入れへの不安

2.本人の希望を、どのように確認できるか

本人が言葉で説明することが難しくても、写真、図、選択肢、繰り返しの説明、信頼できる支援者の同席などにより、意向を確認できる場合があります。

「本人には分からない」と決めつけず、 本人が分かる形で説明する工夫 を考えることが重要です。

3.親が今担っている役割は何か

  • 通帳・年金・生活費の管理
  • 通院予約・服薬確認・主治医への説明
  • 受給者証・手帳・医療証の更新
  • 相談支援専門員・福祉事業所との連絡
  • 住まい・家事・食事・緊急時対応

4.成年後見以外の方法で支えられる部分はあるか

  • 見守り契約
  • 財産管理契約
  • 家族信託
  • 任意後見契約
  • 遺言書
  • 生命保険
  • 福祉サービス・訪問看護・相談支援

5.住まい・医療・福祉を誰が支えるか

成年後見人や補助人がいても、毎日の食事、通院同行、服薬、掃除、見守り、夜間対応などをすべて担うわけではありません。

住まい、福祉サービス、医療、家族、専門職を組み合わせて、生活を支えるチームを作る必要があります。

6.親が急に支えられなくなった場合に備えているか

親亡き後対策は、親が亡くなった後だけの話ではありません。

親の入院、認知症、けが、介護、急な病気など、 親が明日から支えられなくなる場面 に備えることが重要です。

⑫ 改正を待つべき?今すぐ動いた方がよいケース

制度改正が予定されていると、「新制度が始まるまで待った方がよいのでは」と考える方もいます。

しかし、今すぐ対応した方がよいケースもあります。

状況 考え方
親が高齢・病気・入院中 緊急時の生活支援、財産管理、連絡先を早急に整理する
相続手続きが必要 本人の判断能力や遺産分割の進め方を早めに確認する
不動産売却・住み替えが必要 契約・登記・資金管理を誰が行うかを整理する
詐欺・浪費・借入れの被害が心配 現行制度や財産管理の方法を含めて早急に相談する
福祉サービスや住まいの契約が進まない 相談支援専門員・自治体・専門家と役割分担を確認する
改正前から進められること
  • 本人の希望・苦手なこと・生活上の注意点を記録する
  • 支援者リストと緊急連絡網を作る
  • 本人の収入・支出・財産・保険を一覧化する
  • 住まいの候補を調べ、見学・体験を始める
  • 遺言・任意後見・家族信託・財産管理の必要性を整理する
  • 家族会議で、きょうだい・親族の役割を共有する

⑬ よくある質問

Q.改正後は、成年後見を途中で必ずやめられますか?

必ず自動で終了するわけではありません。

必要な保護・支援がなくなった場合に、家庭裁判所が審判を取り消せる仕組みになります。実際には、申立てや裁判所の判断が必要です。

Q.障害がある子は、全員「補助」を付けることになりますか?

なりません。

障害名や手帳の有無だけで決まるのではなく、本人が契約・財産管理・手続きでどのような支援を必要としているかを個別に考えます。

Q.現在の成年後見人は、改正と同時に辞めることになりますか?

自動的に終了するわけではありません。

施行前に始まっている成年後見や保佐には、原則として従来の制度が適用される経過措置が予定されています。今後の対応は、家庭裁判所や専門家に確認しましょう。

Q.補助人は家族が必ず選ばれますか?

必ずしも家族が選ばれるわけではありません。

家庭裁判所は、本人の意見、生活・財産の状況、候補者との利害関係、必要な支援内容などを考慮して選任します。

Q.医療同意も補助人・成年後見人に任せられますか?

医療同意は、成年後見・補助だけで一律に解決する問題ではありません。

本人の意思確認、家族・主治医・医療機関との連携、緊急時の連絡体制を含めて考える必要があります。

Q.デジタル遺言が始まれば、公正証書遺言は不要になりますか?

一律に不要になるわけではありません。

保管証書遺言は新しい選択肢ですが、相続関係が複雑な場合、遺留分への配慮が必要な場合、本人の判断能力に不安がある場合などは、公正証書遺言を含めて比較検討する必要があります。

⑭ 保存版チェックリスト

本人の生活・意思

  • 本人が困る契約・手続きの場面を書き出した
  • 本人の希望・嫌がること・安心する対応を整理した
  • 本人が理解しやすい説明方法を家族で共有した
  • 本人が困ったときに相談できる人を確認した

お金・財産

  • 本人の収入・年金・手当・支出を一覧にした
  • 親の財産・保険・不動産・負債を大まかに整理した
  • 本人の日常のお金と、将来のためのお金を分けて考えた
  • 親が亡くなった後に必要な資金を試算した

住まい・福祉・医療

  • 実家以外の住まいの選択肢を調べた
  • 相談支援専門員・通所先・主治医・薬局の連絡先を整理した
  • 受給者証・手帳・医療証の保管場所と更新時期を確認した
  • 通院・服薬・入院時の対応を誰が担うか考えた

法律・相続

  • 成年後見・任意後見・家族信託・遺言の違いを整理した
  • 今すぐ必要な対応と、改正後に検討する対応を分けた
  • きょうだい・親族の役割を話し合った
  • 緊急時の連絡先と、支援者リストを作った
まとめ

2026年の成年後見制度改正は、 「一度始めたら原則として終わらない」制度から、「本人に必要な支援を必要な範囲・期間で使う」制度へ近づける大きな見直し です。

後見・保佐・補助の3類型は補助に再編され、本人の意向を確認しながら、必要な同意権・取消権・代理権を個別に定める方向へ変わります。

また、必要性がなくなれば途中で制度を見直せる可能性が広がり、任意後見制度も柔軟に活用しやすくなる予定です。

ただし、成年後見制度だけで、本人の住まい・医療・福祉・お金・緊急時対応をすべて解決できるわけではありません。

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