障害者手帳の等級で何が変わる?|使える支援・割引・税金控除を一覧で整理
障害者手帳の「等級(級・A1/A2など)」は、“本人の困りごとの重さ”を示すだけでなく、使える支援の幅・医療費負担・税金の控除・交通の割引などが変わる重要な目安です。
ただし、支援の内容は自治体ごとに条件や申請窓口が違うことも多いので、まずは「どの手帳の、どの等級か」を押さえたうえで、使える制度を整理していきましょう。
・等級で何が変わる?(支援・割引・税金控除の全体像)
・申請〜更新までの流れ(つまずきポイントつき)
・親として「今やるべき整理」(親亡き後に備える視点)
目次
- 1. 結論:等級で変わるのは「お金の負担」と「使える支援の幅」
- 2. まず整理:手帳は3種類(身体・療育・精神)で等級の見方が違う
- 3. 等級で変わる主な支援①|医療費の助成・自己負担
- 4. 等級で変わる主な支援②|税金(障害者控除など)
- 5. 等級で変わる主な支援③|交通・公共料金・生活の割引
- 6. 等級で変わる主な支援④|福祉サービス・就労支援・住まい
- 7. 申請・更新の流れ|初めてでも迷わない手順
- 8. よくあるつまずき|「通らない」「等級が軽い」と言われたら
- 9. 親が今やるべき整理|親亡き後まで見据えた“制度の使い方”
- 10. 関連記事(あわせて読むと理解が深まる)
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1. 結論:等級で変わるのは「お金の負担」と「使える支援の幅」
等級が変わると、支援はざっくり次の2つが大きく変わります。
- 医療費・通院費などの“自己負担”(助成の対象範囲や条件が変わることがある)
- 税金・公共料金・交通など“家計の固定費”(控除や割引の対象が広がることがある)
一方で、「等級が上がれば必ず全部お得になる」という単純な話でもありません。
制度には所得制限や年齢、自治体ルール、更新時の再判定があるため、使い方のコツは「等級に合わせて、取りこぼしなく申請すること」です。
2. まず整理:手帳は3種類(身体・療育・精神)で等級の見方が違う
「障害者手帳」とひとことで言っても、主に次の3つがあります。等級の表記が違うので、最初にここを整理すると迷いが減ります。
① 身体障害者手帳(1級〜6級など)
身体の機能障害(視覚・聴覚・肢体・内部障害など)が対象で、1級が最も重く、数字が大きいほど軽いイメージです。
等級の根拠となる基準や等級表は厚生労働省の資料で公表されています。
参考:厚生労働省「身体障害者手帳」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/shougaishatechou/index.html
② 療育手帳(A1/A2・A・Bなど)
知的障害のある方を対象に、児童相談所等の判定をもとに交付されます。
表記(A・B、A1/A2など)は自治体で運用が異なるため、“自分の自治体の見方”を窓口で確認するのが確実です。
参考:厚生労働省「障害者手帳について(療育手帳を含む)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/techou.html
③ 精神障害者保健福祉手帳(1級〜3級)
精神疾患により、日常生活や社会生活に制約がある方が対象です。
こちらも1級が最も重く、2級・3級と続きます。等級判定の考え方は国の資料で示されています。
参考:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4615&dataType=1&pageNo=1
3. 等級で変わる主な支援①|医療費の助成・自己負担
障害のある子の家庭で負担が大きいのが、通院・薬・検査・入院などの医療費です。
等級によって、助成の対象(重度扱いになるか)や、申請できる制度が変わることがあります。
よく使われる制度(例)
- 自治体の医療費助成(重度障害者医療費助成など:対象等級・所得制限があることが多い)
- 自立支援医療(精神通院、更生医療、育成医療など)
- 高額療養費制度(加入保険・所得区分で上限が変わる)
・「手帳を取ったら終わり」ではなく、医療証・自立支援医療など“別申請”が必要な制度が多いです。
・自治体制度は改定もあるため、窓口で「等級で対象か」を確認しておくと安心です。
医療費助成や医療費控除の整理は、家計の負担軽減に直結します。あわせて確認したい方はこちらも参考になります。
〖専門家がわかりやすく解説〗医療費控除と重度障害者医療費助成のすべて
4. 等級で変わる主な支援②|税金(障害者控除など)
「税金の支援」は、実は家計の固定費を下げる大事なポイントです。
代表的なのが、所得税・住民税の障害者控除です(本人が障害者の場合/扶養している家族が障害者の場合など)。
障害者控除(所得税)の概要
控除額は区分によって異なります。最新の控除額・要件は国税庁のページで確認できます。
参考:国税庁 タックスアンサー「障害者控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
等級と税の関係でよくある誤解
- 「手帳があれば自動で控除される」わけではありません(会社の年末調整や確定申告で申告が必要)
- 同じ等級でも、制度ごとに“対象の考え方”が違うことがあります(税・医療助成・福祉サービス等)
5. 等級で変わる主な支援③|交通・公共料金・生活の割引
交通の割引や公共料金の減免は、「毎月の出費」に効いてくるため、取りこぼしがもったいない分野です。
ただし、対象は自治体・事業者・等級で差があります。
代表例(自治体・事業者により異なります)
- 公共交通の割引(鉄道・バスなど:介助者の割引がある場合も)
- タクシー券・移動支援(自治体制度)
- 公共料金の減免(水道料金の減免など、自治体制度)
- 携帯・通信の割引(事業者の制度)
- 施設利用料の減免(公的施設・入場料等)
①「本人のみ」か「介助者も対象」か
②「等級で対象外になる境目」があるか
③ 申請が毎年必要か(更新・再申請の有無)
6. 等級で変わる主な支援④|福祉サービス・就労支援・住まい
手帳の等級は、障害福祉サービス利用の“入口”になりやすい一方で、実際のサービス利用は障害支援区分や医師意見書、自治体の審査が関わることもあります。
「等級=サービス量が決まる」というより、生活の困りごとを整理して必要な支援につなぐことが大切です。
よく検討する支援
- 相談支援(サービス等利用計画の作成、支援者の調整)
- 就労支援(就労移行支援・就労継続支援など)
- 住まい(グループホーム、一人暮らし支援、施設入所 等)
- お金の管理(日常生活自立支援、後見、信託 など)
「通帳・年金・給付金の管理が不安」という方は、こちらの関連記事も一緒に読むと整理しやすいです。
障害者(知的・精神)の“お金の管理”はどうする?|通帳・年金・給付金・支払いを仕組み化する方法
7. 申請・更新の流れ|初めてでも迷わない手順
細かい書類は自治体で異なりますが、初めての方が迷わないために「大きな流れ」をまとめます。
申請の基本ステップ
- 窓口確認:お住まいの市区町村で「どの手帳を申請するか」を確認
- 必要書類の受け取り:申請書、医師診断書様式、写真要件など
- 診断書の作成依頼:主治医に依頼(手帳ごとに様式が違うことが多い)
- 提出:窓口へ提出(不備があると差し戻しになるのでチェック)
- 交付:手帳の受け取り(同時に使える制度を案内してもらう)
更新で注意すること
- 更新時期(精神手帳などは有効期限があることが多い)
- 再判定(状態によって等級が変わる可能性がある)
- 医療証や各種助成も更新が必要なことがある(手帳更新と別タイミングのことも)
・診断書は「普段の困りごと」が伝わることが重要です。
・通院頻度・服薬状況・生活面の支障(家事、金銭管理、対人、外出など)を、メモにして医師に共有しておくとズレが減ります。
8. よくあるつまずき|「通らない」「等級が軽い」と言われたら
つまずき①:「どの手帳を取るべきか」から分からない
身体・療育・精神は対象が異なり、併用するケースもあります。
まずは「何に困っているか(通院、移動、対人、就労、生活管理など)」を棚卸しし、窓口や専門家に整理してもらうのが早道です。
つまずき②:診断書の内容と本人の実態が噛み合っていない
「できる日」だけを切り取ると軽く見られることがあります。
できない日・崩れる日・支援がないと難しい場面を、具体例で伝えるのがポイントです。
つまずき③:等級は取れたが、次の申請が進んでいない
手帳は“スタート地点”です。医療助成・税控除・福祉サービスは別申請が多いため、手帳交付後にやることリストを作って進めましょう。
9. 親が今やるべき整理|親亡き後まで見据えた“制度の使い方”
手帳の等級が分かったら、次は「親が動けるうちに」将来の土台を作ることが大切です。
おすすめは、次の順番で整理する方法です。
① 生活の見取り図を作る(支援・住まい・お金)
- 日中の居場所(通所、就労、支援者)
- 住まい(実家、グループホーム、一人暮らし等)
- お金(年金・手当・生活費・口座管理・支払い)
② 「親ができなくなった時」に困ることを先に潰す
- 通帳・印鑑・暗証番号を誰が管理するか
- 家賃・光熱費・携帯・医療費の支払いをどう回すか
- 役所・病院・施設との連絡先をどう引き継ぐか
③ 法律の仕組み(後見・信託・遺言)を“目的別”に選ぶ
「成年後見」「家族信託」「遺言」は、それぞれ得意分野が違います。
大事なのは、制度名から入るのではなく、“守りたいもの(生活・財産・手続き)”から逆算することです。
まずはセルフチェックで抜け漏れを確認したい方はこちら。
〖チェックリスト付き〗親亡き後の備えは大丈夫?障害のある子の将来を守るためのセルフチェックガイド
10. 関連記事(あわせて読むと理解が深まる)
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