グループホームを検討する家庭の準備ロードマップ|探し方・費用・契約・親亡き後の注意点

📞 障害のあるお子さまのグループホーム選びに不安を感じている方へ

グループホームを検討するとき、 「空きがあるところへ入れば安心」 「親が亡くなった後は施設に任せればよい」 と考えてしまうことがあります。

しかし、グループホームによって、 夜間支援、服薬管理、通院対応、金銭管理、食事、緊急時対応 には大きな違いがあります。

本人に合った住まいを選ぶには、建物や家賃だけでなく、本人の障害特性、支援量、医療、生活費、契約、親亡き後の連絡体制まで確認することが大切です。

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最初に押さえたい結論

グループホームは、すべての障害のある方に同じ支援を提供する住まいではありません。

入居できるかどうかだけでなく、 本人が必要とする支援を、実際に継続して受けられるか を確認する必要があります。

また、グループホームへ入居すれば、通院・財産管理・医療同意・相続手続き・家族との連絡まで、すべて事業所が担うわけではありません。

障害のある子どものグループホームについて、親御さんからは次のような相談が多くあります。

  • 何歳から探し始めればよいか分からない
  • どこに空きがあるのか分からない
  • 障害が重くても入居できるのか知りたい
  • 精神障害があり、再発や服薬中断が心配
  • 毎月いくら必要になるのか分からない
  • 入居契約を本人が理解できるか不安
  • 通帳や障害年金を事業所へ預けてよいのか心配
  • 親が亡くなった後、誰が緊急連絡先になるのか分からない
  • 退去を求められた場合、その後の住まいが心配

グループホームは、親亡き後の重要な住まいの選択肢ですが、入居だけで準備が完成するわけではありません。

この記事では、探し方、見学、体験利用、費用、契約、金銭管理、医療、親亡き後までを、時系列のロードマップとして整理します。

この記事で分かること
  • グループホームの基本的な仕組み
  • 本人に合う事業所の探し方
  • 見学・体験利用で確認するポイント
  • 家賃・食費・光熱費・利用者負担の考え方
  • 契約書・重要事項説明書で確認すること
  • 服薬・通院・夜間・緊急時対応の違い
  • 通帳・障害年金・預り金の管理方法
  • 親が亡くなった後も住み続けるための準備

① グループホームとは?入所施設との違い

障害福祉制度上のグループホームは、正式には「共同生活援助」といいます。

障害のある方が共同生活を行う住居で、主として夜間や休日に、相談、食事、入浴、排せつ、家事、健康管理など、本人に必要な支援を受けます。

ただし、事業所によって職員配置や対応できる支援が異なります。

住まい 特徴
グループホーム 地域の住宅で共同生活を行い、必要な生活支援を受ける
障害者支援施設 施設入所支援と日中活動を組み合わせ、常時介護等を受けることが多い
一人暮らし 賃貸住宅等で暮らし、居宅介護・訪問看護・自立生活援助等を組み合わせる
実家 慣れた環境で暮らせるが、親の支援・不動産管理へ依存しやすい
グループホームは病院・介護施設ではありません

看護職員が常時配置されているとは限らず、医療的ケア、夜間の頻回対応、強度行動障害、身体介護などに対応できる範囲は事業所ごとに異なります。

本人の状態だけでなく、事業所の人員、医療連携、建物設備、支援経験を確認しましょう。

② まず本人の希望と必要な支援を整理する

グループホームを探す前に、本人が希望する生活と、必要な支援を整理します。

空き状況だけを優先すると、入居後に本人と環境が合わず、短期間で退去することがあります。

本人の希望

どのような生活を送りたいか

  • 今の地域で暮らしたいか
  • 職場・通所先を変えたくないか
  • 個室で静かに過ごしたいか
  • 他の入居者と交流したいか
  • 家族とどの程度会いたいか
  • 食事・入浴・外出の希望はあるか
必要な支援

本人だけでは難しいことを具体化する

  • 起床・就寝・生活リズム
  • 食事・入浴・排せつ・着替え
  • 服薬・通院・体調管理
  • 掃除・洗濯・買い物
  • 障害年金・通帳・生活費の管理
  • 外出・交通機関・通所
  • 不安・パニック・症状悪化時の対応
3段階に分けると整理しやすい
区分 考え方
一人でできる 声かけや確認がなくても継続できる
支援があればできる 声かけ、手順書、見守り、部分的な介助があればできる
継続的な介助・代行が必要 本人だけでは健康・安全・財産へ重大な影響が生じる

③ グループホームの主な類型と支援の違い

共同生活援助には、事業所の運営方法や支援体制に違いがあります。

類型 主な特徴 確認したいこと
介護サービス包括型 事業所の職員が、相談・家事・介護等を一体的に提供する 職員配置、身体介護、夜間支援、外部医療との連携
外部サービス利用型 ホーム職員による相談等に加え、介護は外部の居宅介護事業者等を利用する 外部事業者との連携、支援時間、緊急時対応
日中サービス支援型 重度化・高齢化等に対応し、日中を含む常時の支援体制を重視する 日中活動、夜間、医療、短期入所、本人の生活リズム
サテライト型住居 本体住居と連携しながら、より一人暮らしに近い環境で生活する 訪問頻度、食事、緊急時、将来の単身生活への移行
類型が同じでも支援内容は同じではありません

夜勤者が常駐するのか、複数ホームを巡回するのか、通院同行を行うのか、服薬確認のみか、金銭管理まで対応するのかは、各事業所で異なります。

名称だけで判断せず、具体的な支援内容を確認してください。

④ 探し方|相談支援・自治体・事業所へつながる

グループホーム探しは、インターネットの空室情報だけでは十分ではありません。

本人の支援を知る相談支援専門員と一緒に進めることで、必要な支援と事業所の対応範囲を整理しやすくなります。

主な探し方
  • 相談支援専門員へ希望を伝える
  • 市区町村の障害福祉窓口へ事業所一覧を確認する
  • 基幹相談支援センターへ相談する
  • 現在利用中の通所先・医療機関へ情報を聞く
  • 複数の事業所へ直接問い合わせる
  • 見学会・説明会へ参加する

問い合わせ前にまとめる情報

  • 本人の年齢・障害特性・障害支援区分
  • 現在利用している福祉サービス
  • 通所先・勤務先
  • 必要な身体介護・医療・服薬支援
  • 夜間・緊急時に必要な対応
  • 本人が苦手な環境・行動面の特徴
  • 希望する地域・入居時期
障害名だけで問い合わせを終わらせない

「知的障害です」「精神障害です」だけでは、必要な支援は伝わりません。

本人がどの場面で困り、どのような支援があれば安定して暮らせるかを具体的に伝えましょう。

⑤ 空きが出てから探すのでは遅い理由

グループホームは、空室があればすぐに入居できるとは限りません。

問い合わせ、見学、面談、体験利用、支給決定、契約、引越し準備などに時間がかかります。

段階 行うこと
情報収集 地域・支援内容・費用・空き状況を確認する
見学 建物、職員、入居者、生活ルールを確認する
面談・アセスメント 本人の状態・希望・必要な支援を伝える
体験利用 本人とホームの相性、夜間・食事・共同生活を確認する
支給決定 自治体へ共同生活援助の利用申請等を行う
契約・入居 契約内容、費用、支援計画、引越し日を決める
親の入院後に初めて探すと、選択肢が限られます

緊急時には、本人との相性よりも「今すぐ受け入れられるか」が優先されやすくなります。

親が元気なうちから複数のホームを見学し、体験先や相談先を作っておくことが重要です。

⑥ 見学で確認する20のポイント

見学では、部屋の広さや新しさだけでなく、実際の支援体制を確認します。

分野 確認すること
職員 職員数、夜勤・宿直・巡回、同性介助、研修・経験
夜間 職員がホーム内にいるか、複数棟を担当するか
食事 提供時間、献立、アレルギー、刻み食、本人の希望
入浴・排せつ 介助の範囲、入浴回数、設備、同性介助
服薬 保管、声かけ、確認、飲み忘れ時の対応
通院 予約・同行・送迎・主治医との連絡を誰が行うか
緊急時 発熱、発作、パニック、救急搬送の対応
金銭管理 通帳、現金、預り金、領収書、報告方法
日中活動 通所・通勤の送迎、休日時の過ごし方
生活ルール 門限、外泊、面会、飲酒、喫煙、携帯、インターネット
建物 階段、手すり、防火、避難経路、個室の鍵
周辺環境 駅、バス、病院、スーパー、騒音、地域との関係
見学時に聞きたい質問
  • 夜間は何人の職員が何人の入居者を支援しますか
  • 職員が不在になる時間はありますか
  • 体調悪化時は誰へ連絡しますか
  • 通院同行は毎回対応できますか
  • 服薬管理はどこまで行いますか
  • 預り金の記録を家族・本人へ報告しますか
  • 退去となる可能性があるのはどのような場合ですか
  • 本人の状態が重くなった場合も住み続けられますか

⑦ 体験利用で本人との相性を確認する

見学時には問題がないように見えても、実際に泊まると、音、他の入居者、食事、職員との相性などが分かります。

可能であれば、正式入居前に体験利用を検討しましょう。

体験利用で確認すること
  • 本人が安心して眠れたか
  • 食事を食べられたか
  • 入浴・排せつ・服薬支援が合っていたか
  • 他の入居者との距離感はどうだったか
  • 騒音・照明・においなどが負担にならなかったか
  • 本人が困ったときに職員へ伝えられたか
  • 帰宅後に強い疲労・不安・混乱がなかったか
本人の「嫌だ」を軽視しない

新しい環境への一時的な不安なのか、本人にとって継続困難な理由があるのかを分けて考えます。

言葉で説明することが難しい方については、睡眠、食事、表情、行動、体調の変化から本人の意思を確認します。

⑧ 費用はいくら?家賃・食費・光熱費の内訳

グループホームの費用は、障害福祉サービスの利用者負担と、生活に必要な実費に分かれます。

費用 内容
障害福祉サービス利用者負担 所得区分に応じて月額負担上限が設定される
家賃 居室・地域・建物によって異なる
食費 食材料費。欠食時の精算方法も確認する
光熱水費 定額または実費精算など、事業所により異なる
日用品費 トイレットペーパー、洗剤、共用品等
管理費・共益費 事業所独自の項目がある場合は内訳を確認する
個人費用 携帯、衣類、医療費、交通費、趣味、理美容等
家賃の補足給付

生活保護世帯または低所得世帯の共同生活援助利用者については、家賃を対象として、利用者一人当たり月額1万円を上限とする補足給付を受けられる場合があります。

自治体独自の家賃助成がある地域もあるため、自治体と相談支援専門員へ確認しましょう。

表示された家賃だけで判断しない

家賃が安くても、食費、光熱水費、日用品費、送迎費、通院費などを加えると、毎月の負担が大きくなることがあります。

障害年金、給与・工賃、手当を含め、入居後の月次収支を作成してください。

入居前に行う月次計算

  • 障害年金・給与・工賃・給付金の月平均
  • 家賃・食費・光熱水費・日用品費
  • 医療費・通院交通費
  • 携帯電話・衣類・理美容・趣味
  • 入院・家電購入などの臨時費
  • 毎月いくら貯金できるか

⑨ 契約書・重要事項説明書で確認すること

入居時には、障害福祉サービス利用契約、住居・家賃に関する契約、重要事項説明書などを確認します。

契約前に確認する項目
  • 提供される支援内容
  • 職員配置・夜間体制
  • 利用料金・実費の内訳
  • 料金の改定方法
  • 欠食・入院・外泊時の費用
  • 個人情報の取扱い
  • 預り金・通帳管理の方法
  • 苦情・事故・虐待防止の窓口
  • 退去・契約解除となる条件
  • 入院が長期化した場合の居室の扱い
緊急連絡先と身元保証人を混同しない

緊急連絡先は、事故・入院・体調悪化などの際に連絡を受ける人です。

連絡先になっただけで、当然に利用料や損害を無制限に支払う義務を負うわけではありません。

一方、契約書に保証条項や連帯保証条項がある場合は、責任の範囲を慎重に確認します。

説明を受けたその日に署名しない

本人や家族が契約内容を十分理解できていない場合は、書類を持ち帰り、相談支援専門員や専門家と確認します。

空室を逃したくないという理由で、不明な条項を残したまま契約しないことが大切です。

⑩ 通院・服薬・医療対応はどこまでしてもらえる?

医療・服薬対応は、グループホームごとの差が大きい部分です。

項目 確認する内容
服薬 薬の保管、準備、声かけ、服用確認、記録
通院 予約、同行、送迎、診察内容の共有
訪問看護 外部サービスを利用できるか、情報共有方法
緊急時 発熱、発作、症状悪化、救急搬送への対応
入院 荷物、入院手続き、面会、退院調整を誰が担うか
医療的ケア 対応可能な行為、看護職員、医療機関との連携
通院同行が必ず含まれるとは限りません

通院同行を毎回行うホームもあれば、家族対応、移動支援、居宅介護、訪問看護などの外部サービスを求めるホームもあります。

親亡き後に家族が同行できないことを前提に、誰が通院・診察内容の共有を行うか決めておきましょう。

後見人がすべての医療へ同意できるわけではありません

成年後見人等は財産管理や契約上の支援を担いますが、あらゆる医療行為について包括的に本人へ代わって同意できる制度ではありません。

本人の意思、主治医、ホーム、家族・支援者の連絡体制を別に整える必要があります。

⑪ 金銭管理|通帳・障害年金を預けてよい?

グループホームによっては、本人の希望や状況に応じ、日常的な現金や預り金を管理する場合があります。

しかし、預ける場合も、 誰が、何を、どの範囲で、どのように記録するか を明確にする必要があります。

金銭管理で確認すること
  • 通帳・印鑑・キャッシュカードを預かるか
  • 暗証番号を職員へ伝える必要があるか
  • 預り金の上限はいくらか
  • 本人へ渡す生活費の頻度・金額
  • 領収書・出納帳をどのように保管するか
  • 本人・家族・後見人へ報告する頻度
  • 担当職員が交代した場合の引継ぎ方法
  • 事故・紛失・不正が起きた場合の対応
本人の障害年金は本人の財産です

成人した本人の障害年金、給与、工賃、預貯金は本人の財産です。

親や事業所が支援する場合も、本人の意思を尊重し、本人の生活のために使い、入出金を確認できる状態にします。

日常のお金と長期財産を分ける
  • 日常生活費口座:家賃、食費、日用品、医療費
  • 自由に使うお金:趣味、外食、買い物
  • 緊急資金:入院、引越し、家電、臨時費
  • 長期資産:相続財産、まとまった預貯金

グループホームへ日常生活費の管理を依頼しても、多額の相続財産まで同じ方法で管理するのが適切とは限りません。

⑫ 本人が契約を理解できない場合はどうする?

障害があることだけで、本人が契約できないと決まるわけではありません。

説明方法を工夫し、本人がホームでの生活、費用、ルール、退去条件などを理解して意思を示せるか確認します。

本人が理解しやすい説明方法
  • 写真・間取り・実物を使う
  • 費用を月額の一覧表で示す
  • 生活の一日の流れを見せる
  • 難しい言葉を短い文章へ変える
  • 体験利用後に改めて意思を確認する
  • 複数回に分けて説明する
親が成人した本人を当然に代理できるわけではありません

成人した本人について、家族であるという理由だけで、親がすべての契約を当然に代理できるわけではありません。

本人が契約内容を理解することが難しく、法的な代理や支援が必要な場合は、成年後見制度等を含めて個別に検討します。

グループホーム入居だけを目的に後見を急がない

本人の判断能力、契約内容、他の支援方法を確認せず、入居のためだけに成年後見を申し立てるのは慎重に判断する必要があります。

現行制度では、入居契約が終わっただけで成年後見が当然に終了するわけではありません。

⑬ 家族・きょうだい・緊急連絡先の役割

グループホームへ入居しても、家族の関わりが完全になくなるわけではありません。

一方で、きょうだいが親の役割をすべて引き継ぐ必要もありません。

役割 担い手の例
日常生活 グループホーム職員、日中活動先
福祉調整 相談支援専門員、自治体
医療・服薬 主治医、薬局、訪問看護、ホーム
財産管理 本人、家族、日常生活自立支援事業、必要に応じた後見人等
緊急連絡 家族・親族・後見人・支援機関など
相続 遺言執行者、相続人、専門職
きょうだいへ24時間対応を約束させない

きょうだいには仕事、家庭、健康、居住地域があります。

緊急連絡先になる場合も、どの時間帯・どの内容まで対応するのかを明確にし、ホーム、相談支援、医療機関と役割を分けましょう。

⑭ 退去・入院・高齢化に備える

入居時に合っていたグループホームでも、本人の状態や事業所の体制が変わることがあります。

将来起こり得る変化
  • 本人の身体機能・認知機能が低下する
  • 医療的ケアが必要になる
  • 精神症状・行動面の支援量が増える
  • 長期入院する
  • 他の入居者との関係が悪化する
  • 事業所が廃止・移転する
  • 現在のホームでは対応できなくなる
「終身利用できる」と思い込まない

グループホームは、必ず生涯住み続けられることを保証する仕組みではありません。

契約解除・退去条件、長期入院時の扱い、支援量が増えた場合の対応、次の住まいを誰が探すかを確認してください。

住み替えに備える方法

  • 相談支援専門員との関係を継続する
  • 年1回、本人の状態とホームの支援体制を確認する
  • 地域の他のホーム・施設も把握する
  • 地域生活支援拠点等の窓口を確認する
  • 本人情報・医療情報を更新する

⑮ 親が亡くなった後も住み続けるための準備

親亡き後も生活を継続するには、親が現在担っている役割を見える化し、事前に引き継ぎます。

親が担っていること 引継先の例
ホームとの連絡 相談支援専門員、きょうだい、後見人等
通院・主治医への説明 ホーム、訪問看護、医療機関、家族代表
通帳・障害年金の管理 本人、財産管理支援、必要に応じた後見人等
衣類・日用品の購入 ホーム、本人、外部サービス
外泊・面会 きょうだい、親族、支援者
相続・財産の手続き 遺言執行者、相続人、専門職
親が元気なうちに整える書類
  • 本人情報ファイル
  • 医療・服薬情報
  • 障害年金・通帳・毎月の支払い一覧
  • 支援者リスト・緊急連絡網
  • 親の財産目録
  • 遺言書
  • 必要に応じた家族信託・財産管理の契約
遺言書だけでは生活支援は完成しません

遺言書では、誰にどの財産を残すかを決められます。

しかし、本人が相続した後の通帳管理、ホームとの契約、通院、緊急連絡を誰が担うかは別の問題です。

住まい・医療・福祉・財産管理を一体で準備しましょう。

⑯ よくある失敗例

  • 空きがあるという理由だけで入居を決める
  • 本人の希望を確認せず、家族だけで選ぶ
  • 見学だけで決め、体験利用を行わない
  • 夜間職員が常駐していると思い込む
  • 通院・服薬・金銭管理をすべて任せられると思う
  • 家賃だけを比較し、食費・光熱費・日用品費を計算しない
  • 契約解除・退去条件を確認しない
  • 親が本人の障害年金を管理し続ける
  • 成人した本人の契約を親が当然に代理できると思う
  • 入居のためだけに成年後見を急いで申し立てる
  • きょうだいを24時間対応の緊急連絡先にする
  • 親が亡くなった後の通院・財産管理を決めていない
  • グループホームは終身住み続けられると思う

グループホーム選びで重要なのは、 「入れるか」ではなく、「本人が安心して暮らし続けられるか」 です。

⑰ 今日から始める1年ロードマップ

最初の1か月|本人の希望・支援を整理する

  • 本人が希望する地域・生活を確認する
  • 一人でできること・支援が必要なことを書き出す
  • 医療・服薬・行動面の情報をまとめる
  • 本人の毎月の収入・支出を確認する
  • 親が現在担っている支援を一覧にする

3か月以内|候補を探して見学する

  • 相談支援専門員へ入居希望を伝える
  • 自治体・基幹相談支援センターへ情報を確認する
  • 複数のグループホームを見学する
  • 夜間・医療・金銭管理・退去条件を比較する
  • 本人の反応を記録する

6か月以内|体験利用・費用計算を行う

  • 体験利用・短期利用を検討する
  • 家賃・食費・光熱費等の月次収支を作る
  • 家賃補助・自治体助成を確認する
  • 通院・服薬・日中活動の引継方法を決める
  • 緊急連絡先の役割を確認する

9か月以内|契約内容を確認する

  • 契約書・重要事項説明書を持ち帰って確認する
  • 料金・預り金・通帳管理を確認する
  • 長期入院・退去・高齢化時の対応を確認する
  • 本人が契約を理解できるよう説明する
  • 法的支援が必要か個別に確認する

1年以内|入居後も続く仕組みにする

  • 支給決定・契約・引越しを進める
  • 本人情報・医療情報をホームへ共有する
  • 障害年金・生活費の支払方法を整える
  • 親以外の連絡先・財産管理者を決める
  • 遺言・相続・親亡き後対策を整理する
  • 入居後1か月・3か月・6か月の見直し日を決める
1年後に目指したい状態
  • 本人に合うグループホームの候補がある
  • 本人が体験し、生活のイメージを持っている
  • 毎月の費用と不足額が分かっている
  • 服薬・通院・緊急時対応が決まっている
  • 本人のお金と親のお金が分けられている
  • 親が亡くなった後の連絡・財産管理が決まっている
  • 退去・高齢化時の次の相談先を確認している

⑱ 保存版チェックリスト

本人・支援内容

  • 本人の希望する生活を確認した
  • 必要な身体介護・医療・服薬支援を整理した
  • 本人が苦手な環境・対応をまとめた
  • 親が担っている支援を書き出した
  • 相談支援専門員へ希望を伝えた

見学・体験

  • 複数のホームを比較した
  • 夜間の職員配置を確認した
  • 通院・服薬・金銭管理を確認した
  • 退去条件・長期入院時の扱いを確認した
  • 可能な範囲で体験利用を行った

費用・契約

  • 家賃・食費・光熱水費・日用品費を確認した
  • 月次収支を作成した
  • 家賃の補足給付・自治体助成を確認した
  • 契約書・重要事項説明書を確認した
  • 保証・緊急連絡先の責任範囲を確認した

医療・お金

  • 主治医・薬局・薬を一覧にした
  • 通院同行を誰が行うか決めた
  • 本人名義の口座で年金を管理している
  • 預り金・領収書・報告方法を確認した
  • 多額の相続財産の管理方法を別に考えた

親亡き後

  • 親以外の緊急連絡先を検討した
  • きょうだいへ負担を集中させていない
  • 本人情報・医療情報ファイルを作成した
  • 遺言書・財産目録を準備した
  • 本人が財産を取得した後の管理方法を決めた
まとめ

グループホームを検討するときは、 空き・建物・家賃だけで決めないこと が重要です。

本人の希望と必要な支援を整理したうえで、夜間体制、通院、服薬、医療、金銭管理、緊急時対応、退去条件を確認します。

費用については、障害福祉サービスの利用者負担だけでなく、家賃、食費、光熱水費、日用品費、医療費などを含めた月次収支を作成します。

また、グループホームへ入居しても、本人の財産管理、相続、医療上の意思確認、家族との関係が自動的に整うわけではありません。

親が元気なうちから、相談支援専門員とつながり、複数のホームを見学・体験し、本人のお金と親のお金を分け、親亡き後の連絡先と財産管理方法を決めておきましょう。

本人が安心して入居でき、親がいなくなった後も生活を続けられる状態を作ること が、グループホーム準備の本当の目的です。


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