【保存版】障害のある子の将来ロードマップ|幼少期から親亡き後までに考えること一覧

📞 親亡き後対策を、いつ・何から始めるか迷っている方へ

障害のある子どもの将来準備は、成年後見や家族信託を急いで決めることから始めるものではありません。

まずは、本人の生活・お金・住まい・医療・福祉サービス・支援者を年齢や状況に合わせて少しずつ整えていくことが大切です。

このページでは、幼少期から成人期、親の高齢化、親が亡くなった直後までを1本のロードマップとして整理します。

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障害のある子どもを育てる親御さんにとって、

「自分が元気なうちに、何をどこまで準備しておけばよいのか」

は、とても大きな悩みです。

ただ、親亡き後対策は、ある日突然すべてを完成させるものではありません。

幼少期には、本人に合う支援や医療・福祉とのつながりを整える。学齢期には、本人の得意・苦手や希望を把握する。成人期には、住まい・お金・支援者を試しながら整える。そして親が高齢になったら、相続や財産管理の仕組みを具体化する。

このように、本人の成長と、親の年齢・健康状態に合わせて準備の重点は変わります。

この記事で分かること
  • 幼少期から親亡き後までの準備の全体像
  • 年齢ごとに優先して考えたいこと
  • 親が元気なうちに整えておきたい仕組み
  • 住まい・お金・医療・福祉・相続をつなげる考え方
  • 関連記事を読む順番

① このロードマップの読み方|年齢だけで決めない

「小学生だからここまで」「成人したから後見が必要」といったように、年齢だけで準備内容が決まるわけではありません。

同じ年齢でも、本人の生活力、障害特性、家族構成、きょうだいの状況、親の健康状態、地域の支援資源によって、優先順位は大きく変わります。

このロードマップは、次の2つの軸で読むのがおすすめです。

見る軸 確認すること
本人の成長・生活段階 学校、就労、通院、金銭管理、住まい、日常生活でどこまでできるか
親の状況 親の年齢、健康状態、働き方、家計、きょうだいとの関係、緊急時の備え
大切な考え方

「将来のために全部決める」ことが目的ではありません。

本人の希望や生活の変化に合わせて見直せるよう、情報・支援者・お金・住まいの選択肢を少しずつ増やしていくことが重要です。

② まず全家庭で始めたい3つの準備

年齢にかかわらず、最初に取り組みたいことは共通しています。

1.親が担っている役割を書き出す

通院の予約、薬の確認、通帳管理、役所の更新、福祉事業所との連絡、困ったときの相談先など、親が日常的にしていることを一覧にします。

「親がいなくなったら困ること」ではなく、「親が今していること」から書き出すと、必要な引き継ぎが見えやすくなります。

2.毎月のお金の流れを見える化する

障害年金、手当、工賃・給与、生活費、家賃、医療費、通所費、趣味や臨時費を、まずは大まかに整理します。

親亡き後に必要なお金は、「総額をいくら残すか」より先に、毎月いくら足りるか・足りないかを確認することが出発点です。

3.支援者リストと緊急連絡網を作る

相談支援専門員、学校、通所先、主治医、薬局、訪問看護、親族、近所の見守り役などを、親の頭の中だけに残さないことが大切です。

③ 幼少期|支援につながり、本人の土台をつくる時期

目安:幼少期〜小学校入学前

この時期の目的は「将来の制度設計」ではなく、支援の土台づくり

幼少期は、成年後見や相続を急いで考える時期ではありません。

まずは、本人に合う医療、療育、相談先、福祉サービス、学校との連携を整え、「困ったときに相談できる人がいる状態」を作ることが大切です。

  • 診断名・特性・困りごと・苦手な環境を家族で共有する
  • 通院先、相談先、療育・支援機関の連絡先をまとめる
  • 手帳、受給者証、医療証などの保管場所を決める
  • 本人が安心しやすい関わり方・苦手な対応を記録する
  • 親だけが抱え込まず、親族や支援機関とつながる
この時期に特に大切なこと

将来の不安が大きいと、早い段階で「お金を残さなければ」「施設を決めなければ」と焦りがちです。

しかし最初に必要なのは、本人のことを理解し、支援につながる記録を残すことです。

④ 学齢期|本人の希望・生活力・家族の役割を見える化する時期

目安:小学生〜高校生

「親が全部やる」から、「本人ができることを増やす」へ

学齢期は、本人の得意なこと、苦手なこと、将来の希望を少しずつ言葉にしていく時期です。

ここで大切なのは、本人に無理をさせて急に自立させることではありません。 本人ができること・支援があればできること・難しいことを分けて把握することが重要です。

確認するテーマ 具体例
日常生活 食事、洗濯、掃除、服薬、買い物、予定管理
お金 小遣い、交通費、電子マネー、レシート、使い過ぎへの対応
コミュニケーション 困ったときに助けを求められるか、連絡先を使えるか
医療 通院理由、薬、体調変化をどこまで説明できるか
本人の希望 働き方、住みたい場所、好きなこと、苦手な環境
親が決め過ぎないことも大切

親が「この子には無理」と決め切ってしまうと、本人が経験できる機会や、将来の選択肢が狭くなることがあります。

安全面に配慮しながらも、短時間の外出、買い物、通所、ショートステイ、地域活動などを通じて、本人に合う生活の形を少しずつ試すことが大切です。

⑤ 卒業前〜成人期|住まい・日中活動・お金を「試して整える」時期

目安:高校卒業前後〜20代前半

大きな転換点は「学校から地域生活・成人サービスへの移行」

卒業を前にすると、学校中心だった生活が、就労、生活介護、自立訓練、グループホーム、通院、地域生活へと大きく変わります。

この時期は、本人の将来の生活を頭の中で決めるのではなく、実際に体験して確認する時期です。

  • 卒業後の日中活動・就労先・通所先を検討する
  • 相談支援専門員と、将来の生活の希望を話し合う
  • ショートステイやグループホームの体験利用を検討する
  • 住まいが変わった場合の生活費を試算する
  • 障害年金・手当・医療費助成・受給者証の更新時期を確認する
  • 親以外の人にも相談できる関係を増やす
住まいは「決める」より「知る・試す」

グループホームや施設は、親が亡くなってから急いで探すよりも、親が元気なうちから見学・体験利用を重ねる方が、本人に合う場所を選びやすくなります。

住まい探しは、緊急時への備えではなく、将来の選択肢を増やすための準備です。

⑥ 成人期|親だけに頼らない生活を少しずつ作る時期

目安:20代〜親が元気な間

目標は「親なしでも生活できる状態」ではなく、「親以外にも頼れる状態」

成人後も親が支えること自体は、悪いことではありません。

ただし、親だけが通帳、薬、福祉サービス、支払い、住まい、緊急連絡を管理している状態は、親の病気や入院をきっかけに生活が止まりやすくなります。

この時期は、親の役割を一人で抱え込まない仕組みを作ることが重要です。

分野 整えておきたいこと
お金 口座、家賃・光熱費の支払い、年金・手当、緊急費、金銭管理の方法
住まい 実家継続、グループホーム、一人暮らし、親族同居などの候補
医療 主治医、薬局、服薬情報、緊急時の連絡先、通院同行
福祉 相談支援専門員、受給者証、利用中の事業所、更新時期
支援者 きょうだい、親族、支援機関、専門職、近隣とのつながり

⑦ 親が60代以降・健康不安が出たとき|制度設計を具体化する時期

親が60代以降になった、持病がある、入院歴がある、配偶者の体調に不安があるという場合は、親亡き後対策を「情報収集」から「実行」に移す時期です。

ここで大切なのは、制度を一つ選んで終わらせることではありません。

誰が生活を支えるか、誰がお金を管理するか、親の財産をどう残すか、亡くなった後の連絡・手続きを誰が担うかを分けて考えます。

制度・方法 主に考えること 事前に整理したいこと
遺言書 亡くなった後、誰に何を残すか 財産の一覧、相続人、きょうだいへの配慮、遺言執行者
家族信託 親の財産を、本人の生活費などに使う管理ルール 受託者、使い道、残余財産、管理の負担
任意後見 将来、判断能力が低下したときの代理人 任せる内容、候補者、発効時の費用・監督
成年後見 すでに判断能力が不十分な場合の法律上の支援 本人の状況、必要な手続き、他制度で足りるか
死後事務委任 葬儀、役所、施設、支払い、連絡などの死後対応 依頼する内容、費用、連絡先、預託金の考え方
制度は万能ではありません

遺言書は相続の分け方を決めるためのものです。家族信託は主に財産管理の仕組みです。成年後見・任意後見は法律行為や契約の支援に関わります。

制度ごとに守れる範囲が違うため、生活・お金・住まい・支援者をつなげて設計する必要があります。

⑧ 親が急に支えられなくなったとき・亡くなった後

親亡き後対策は、親が亡くなった後だけの話ではありません。

親が入院した、認知症が進んだ、突然倒れた、介護が必要になったなど、「親が今まで通り支えられない日」から始まります。

最優先は相続ではなく、本人の生活を止めないこと
  • 誰が本人のそばにいるか
  • 薬・通院・食事・住まいをどう維持するか
  • 家賃・光熱費・携帯料金などの支払いが続くか
  • 相談支援専門員・事業所・主治医へ連絡できるか
  • 本人の保険証・受給者証・通帳・緊急連絡先が分かるか

親が亡くなった後は、死亡届、年金、保険、福祉サービス、銀行、相続など、多くの手続きが発生します。

ただし、最初からすべてを一人で終わらせる必要はありません。まずは、本人の生活・医療・住まい・支払いを維持することを優先し、必要な手続きを時系列で進めます。

⑨ 家庭状況別|特に早めの準備が必要なケース

家庭によっては、年齢に関係なく早めに準備を始めた方がよい場合があります。

家庭状況 早めに確認したいこと
ひとりっ子・きょうだいが遠方 親族以外の支援者、緊急連絡先、財産管理、死後事務
親が高齢・持病あり 遺言、財産一覧、支援者リスト、住まいの候補、緊急対応
本人に医療・服薬の支援が必要 主治医、薬局、服薬情報、入院時連絡先、通院同行
親子同居で、親が生活全般を担っている 食事、洗濯、支払い、通院、福祉手続きの引き継ぎ
きょうだい間で役割や相続の考え方が違う 家族会議、役割分担、遺言、財産管理、親の希望の共有
きょうだいに「将来はお願いね」とだけ伝えるのは危険です

きょうだいに支援をお願いする場合も、生活支援、緊急連絡、お金の管理、相続、通院同行などを一人に全部任せる必要はありません。

きょうだいは支援チームの一員であり、すべてを担う前提にしないことが、長く続く仕組みづくりにつながります。

⑩ 今日から始める90日ロードマップ

「何から始めればいいか分からない」という場合は、最初の90日を次のように進めると整理しやすくなります。

最初の1週間|情報を集める

  • 親がしていることを書き出す
  • 通帳、保険証、受給者証、診察券などの保管場所を確認する
  • 主治医、薬局、相談支援専門員、事業所の連絡先を集める
  • 本人の1日の流れを書き出す

1か月以内|生活とお金を見える化する

  • 収入と支出を月額で整理する
  • 住まいの候補を3つ程度考える
  • 支援者リストを作る
  • 家族で「将来の不安」を共有する

3か月以内|選択肢を増やす

  • 相談支援専門員・福祉窓口に相談する
  • グループホームや日中活動先を見学する
  • 本人の希望を聞き取り、記録する
  • 必要に応じて遺言・家族信託・後見制度の相談を始める
最初の目標

90日で完璧な親亡き後対策を完成させる必要はありません。

「誰に聞けばよいか」「何が足りないか」「次に何をするか」が分かる状態になれば、大きな前進です。

⑪ 保存版チェックリスト

本人の生活
  • 本人の得意なこと・苦手なことを整理している
  • 本人の希望や嫌がることを記録している
  • 通院先・薬局・薬の情報を一覧化している
  • 受給者証や手帳の更新時期を確認している
お金・住まい
  • 年金・手当・工賃などの収入を把握している
  • 家賃・食費・医療費・支援費を月額で整理している
  • 将来の住まい候補を複数考えている
  • 親が亡くなった直後の一時費用も考えている
支援者・家族
  • 相談支援専門員・事業所・主治医の連絡先が分かる
  • 緊急時に連絡する順番を決めている
  • 親族・きょうだいと役割を話し合っている
  • 親だけが知っている情報を減らしている
法律・相続
  • 親の財産と負債を大まかに把握している
  • 遺言書が必要か検討している
  • 成年後見・任意後見・家族信託の違いを理解している
  • 親の死後に必要な連絡・手続きを想定している
まとめ

障害のある子の将来対策は、親が亡くなる直前にまとめて考えるものではありません。

幼少期には支援の土台をつくり、学齢期には本人の希望や生活力を把握し、成人期には住まい・お金・支援者を試しながら整え、親が高齢になったら相続・財産管理・緊急時の仕組みを具体化します。

一番大切なのは、親の役割を「人」と「仕組み」に少しずつ引き継いでいくことです。

完璧な答えを急ぐのではなく、今の家庭に必要な一歩から始めましょう。


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