7つのもしも ④

施設に入ることになったら、
誰が手続きをする?

入居先を探すだけでなく、
契約・保証・自宅まで考えておく。

施設選び・入居契約・身元保証・緊急連絡先・費用・自宅。
入居前に確認したいことを整理します。

結論

頼れる家族がいない方が施設へ入るときは、 「施設を探すこと」だけでなく、 入居契約、身元保証、緊急連絡先、費用、自宅を誰がどうするか まで確認することが大切です。 施設によって求める条件は異なるため、 元気なうちに自分の希望と、頼める人を整理しておきましょう。

施設に入るとき、何を決める必要がある?

老人ホームや介護施設への入居では、 「どの施設がよいか」以外にも、 契約や生活に関するさまざまな確認があります。

入居先 希望する地域、介護体制、 医療対応、暮らし方などを確認します。
入居契約 誰が契約内容を確認し、 必要な手続きを行うのか考えます。
身元保証・身元引受 施設がどのような役割を求めているのか確認します。
緊急連絡先 体調変化などがあったときに、 誰へ連絡してもらうのか決めます。
入居費・月額費用 初期費用だけでなく、 月々の支払いも確認します。
自宅・家財 施設へ移った後、 今の住まいや荷物をどうするのか考えます。

身元保証人がいないと施設へ入れない?

「家族がいないから、施設には入れないのでは」 と心配される方もいます。

介護保険施設等では、 身元保証人等がいないことだけを理由として 入所を拒むことは不適切 とされています。

一方で、 有料老人ホームなどでは、 身元引受人や緊急連絡先について 施設ごとの条件が設けられていることがあります。

そのため、 「保証人がいないから無理」と決めつけず、 希望する施設が何を求めているのかを確認する ことが大切です。

「身元保証」と「緊急連絡先」は同じとは限りません

施設が求める役割は、 施設ごとに異なります。

例えば、 緊急時の連絡だけを求めている場合と、 費用の保証や退去時の対応まで含めている場合では、 必要な準備が違います。

「身元保証人」という名称だけで判断しないことが大切です。

契約書や重要事項説明書を確認し、 具体的に何を求められているのかを整理しましょう。

施設を選ぶときに確認したい3つのこと

1
暮らし方 どこで、 どのように暮らしたいかを考えます。
2
必要な支援 介護、医療、 認知症への対応などを確認します。
3
費用 入居時だけでなく、 毎月継続して支払えるかを確認します。

契約内容と費用は、入居前に確認する

施設を選ぶ際には、 月額料金だけで判断しないことが大切です。

サービス内容、 追加費用、 退去条件、 前払金がある場合の取扱いなど、 契約内容を確認します。

有料老人ホームでは、 入居契約に関する重要な事項を確認するための 「重要事項説明書」が用意されています。

分からないまま契約を急がないことが大切です。

費用や契約内容について分からない点があれば、 契約前に施設へ確認しましょう。

認知症になっている場合、誰が入居契約をする?

本人に契約内容を理解して判断する能力がある場合は、 本人が契約することが基本です。

一方で、 判断能力が低下していて 自分だけで契約することが難しい場合には、 後見制度などによる支援が必要になることがあります。

すでに任意後見契約を結んでいる場合でも、 実際に代理できる内容は 契約で与えられた代理権の範囲 によって異なります。

施設へ入った後、自宅をどうする?

施設へ入居したからといって、 必ず自宅をすぐ売却しなければならないわけではありません。

将来自宅へ戻る可能性、 持ち家か賃貸か、 維持費、 家財やペットなどを踏まえて考えます。

持ち家 維持するのか、 売却・賃貸などを検討するのか整理します。
賃貸住宅 解約時期、 荷物の搬出、 原状回復などを確認します。
家財 残す物、 施設へ持っていく物、 処分する物を整理します。
ペット 一緒に入居できない場合の 新しい預け先を考えます。

家族に頼めることと、頼めないことを分ける

家族・親族などに頼める 施設見学、 緊急連絡、 引っ越しなどを対応してもらえるのであれば、 すべてを外部へ依頼する必要はありません。
頼めない部分がある 入居手続き、 身元保証、 財産管理などについて、 必要な支援を個別に検討します。

具体例|一人暮らしから施設へ移る場合

78歳・一人暮らし・子どもなし

転倒が増え、 一人暮らしを続けることに不安を感じ、 施設入居を検討するケースです。

施設を決めるだけでなく、 緊急連絡先、 契約、 月々の支払い、 自宅や家財をどうするかも考える必要があります。

重要なのは、 すべてを一つのサービスへ任せることではなく、 誰がどの役割を担うのかを整理すること です。

施設入居前に確認したい8項目

  • 希望する地域や暮らし方を考えている
  • 介護・医療面で必要な支援を把握している
  • 入居費用・月額費用を確認している
  • 入居契約を誰が行うか考えている
  • 身元保証・身元引受の内容を確認している
  • 緊急連絡先を考えている
  • 自宅・家財・ペットをどうするか考えている
  • 判断能力が低下した場合の支援方法を考えている

身元保証サービスが必要ない場合もあります

すべての方が、 身元保証サービスを契約する必要があるわけではありません。

家族や親族などが、 施設が求める役割を担える場合には、 新たな契約が必要ないこともあります。

一方で、 誰にも頼めない役割がある場合には、 身元保証や生活支援などを検討する方法があります。

必要な支援だけを選ぶことが大切です。

サービス名だけで決めず、 内容・費用・解約条件などを確認しましょう。

自宅に戻れなくなったら?

施設への入居や長期入院により、 今まで住んでいた自宅へ戻らない ことが決まる場合があります。

そのときには、 賃貸の解約、 持ち家、 家財、 郵便、 公共料金、 ペットなどをどうするのか考える必要があります。

次の「⑤ 自宅に戻れなくなったら?」で詳しく整理します。

施設入居・身元保証でよくある質問

Q. 身元保証人がいないと老人ホームに入れませんか?

施設の種類や運用によって異なります。 介護保険施設等では、 身元保証人等がいないことだけを理由に 入所を拒むことは不適切とされています。 希望する施設が具体的に何を求めているのかを確認しましょう。

Q. 任意後見人が施設との契約をしてくれますか?

任意後見が開始しており、 任意後見契約で施設入居等に関する代理権が与えられていれば、 その範囲で契約等に対応することがあります。

Q. 施設へ入ったら自宅はすぐ売った方がよいですか?

必ずしもそうとは限りません。 自宅へ戻る可能性、 維持費、 家族関係、 財産状況などによって判断は異なります。

Q. 施設に入れば財産管理も施設がしてくれますか?

施設ごとに対応範囲は異なります。 原則として本人が管理することを前提としつつ、 一定の条件で施設が金銭管理を行う場合もあります。 管理方法や報告方法を事前に確認してください。

施設を探す前に「何を頼むか」を整理してみませんか?

すべてを一度に決める必要はありません。
まずは希望する暮らしと、頼める人を整理するところから始めましょう。

参考:
厚生労働省 「高齢者向け住まい」
厚生労働省 「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」
消費者庁 「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」